爪をかむ癖をやめさせたい

爪かみは幼児期から思春期の子どもにしばしばみられる癖の1つです。

気がかりな癖があると家族は心配し、何か原因があるのではないかと考えますが、爪かみの原因はよくわからないことが多いといわれています。ただ、爪をかむことによって、心を落ち着かせたり、安心感を得たりしていることは事実のようです。

子どもの癖に気が付くと家族は、最初は「一時的なもの」と考えていても、その行為が続くと「何とかして早くやめさせたい」と思い、また「親のしつけや対応が悪いのではないか」「欲求不満があるのか」「ずっと続くのではないか」など不安な気持ちになります。そのため、無理にやめさせようと強く叱るような場合もありますが、効果的な方法とはいえません。子どもは叱られることで、いけないことをしていると罪悪感を感じたり、家族と子どもの関係が悪くなるなどのデメリットの方が大きくなってしまうことも考えられます。もし、爪をかむことで友だちに何か言われて困っているなど、日常生活を過ごすうえで、子ども自身に不都合が起こっているのでなければ、少し時間をかけて見守っていただくようおすすめします。

家庭での対処法ですが、爪の中は不潔になりやすいので、いつも爪は短めに切りそろえます。そして、子どもの様子を日頃からよく観察し、爪をかみやすい状況などが明らかな場合には、取り除くなど生活環境を整えます。また、話して理解できる年齢であれば、深爪の危険や爪の大切さについて伝えてみるのもよいでしょう。できれば、ご家庭の中では安心して過ごせるよう、これからも一緒の時間を過ごしたり、温かな家族関係を大事にしてください。

人は多かれ少なかれ、何らかの癖を持ちながらも、悪影響なく過ごしていることがほとんどです。子どもの頃にあった癖がいつの間にか治っていたという人も多くいらっしゃいます。大らかにお子さんの成長を見守っていただければと思います。