母の不眠
70代の母は最近、寝つけなかったり、夜中に目が覚めてしまうと眠れなくなるなどということが多く、一睡もできない日もあります。精神面でも安定していない様子なので、受診をすすめていますが「薬に頼りたくない、本当に病気になってしまう」などと行きたがりません。このまま不眠が続くのが心配で病院にいってほしいのですが、どうしたらよいのかわかりません。
女性/40代
2021/12/21
睡眠は私たちの一日の疲れをリセットし、明日への活力となる大切なエネルギーチャージの時間です。お母様の不眠と精神不安定の関連については明言できませんが、ご高齢ということもあり、ふだんと異なるご様子は心配になりますね。
では、不眠を引き起こす原因にはどのようなものがあるでしょうか。
・【寝室の環境】:気になる音、暑すぎや寒すぎ、寝室の灯りが合わなかったり朝の光が入りすぎる、枕が高すぎたり布団が重いなど、睡眠時の環境が不眠の原因になることは意外に多いものです。
・【悩みや心配事】:頭から離れない心配事があることで、脳の神経がなかなか休まらず、睡眠に影響が出ることがあります。
・【生活リズムの変化】:不規則な生活や長すぎる昼寝などにより、生活リズムが崩れ、良質な睡眠がとりづらくなります。
・【病気や症状】:身体の痛み、かゆみ、せき、頻繁な尿意などの症状は、熟睡を阻害するひとつの要因となります。また、うつ病、認知症、睡眠時無呼吸症、むずむず脚症候群など、睡眠を直接阻害する原因となりうる病気もあります。
・【薬など】:寝酒、過剰なカフェイン摂取は睡眠の質を悪化させますし、ステロイド、降圧剤など、薬のなかには睡眠に影響を与える可能性があるものがあります。とくに高齢の方は薬の効きが強くなったり、長期服用により副作用が強く出ることもあり、注意が必要です。
・【加齢】:高齢の方は、睡眠をうながすホルモンの減少や体温の変動サイクルの変化などにより、深い眠りを得ることがむずかしくなったり、熟睡している時間が短くなりやすいといわれます。
お母様の場合はいかがでしょうか。
一般的に高齢になってくると、日中に身体を動かすことが少なくなり、エネルギー消費量が減少することで、一日の睡眠時間が短くなることは自然なことです。十分な睡眠がとれなかった翌日は、日中横になる時間をとるなどして、数日単位で睡眠のバランスがとれ、日常生活に大きな支障がなく過ごせているのであれば、それほど心配はいりません。
ただ、不眠の背景に病気や薬が影響していると考えられる場合は、なんらかの対処が必要です。もし定期的に通院しているかかりつけの内科や整形外科などがあれば、次回の受診の際にお母様と一緒に来院され、先生に相談しておくと安心です。もしかかりつけ医がいない場合は、自治体の健康診断などの機会を活用してもよいでしょう。
とはいえ、お母様が無類の病院嫌いという場合は、受診のハードルは高くなりますね。そんなときには、お住まいの地域にある、地域包括支援センターで相談してみるのもひとつです。地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士やケアマネージャーが在籍しており、地域の高齢者の方を対象とした相談を無料で受けています。ご家族からの相談にも気軽に応じてくれますので、センターの場所や相談方法など、役所に一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
幸い、お母様は眠れていないことを日頃からあなたに話せているご様子。まずは、ふだんの生活やお休みになるときの様子を一緒に振り返り、睡眠の妨げになっていることについてお母様の話をゆっくり聴いて差し上げる時間を作ってみてはいかがでしょうか。もしあなたのほかに、ご兄弟や、お母様が信頼できる方がいるようなら、そうした方々にも手伝ってもらい、お母様とともにできる工夫について話し合ってみましょう。
もしかすると、それがお母様にとって、いちばんの不眠解消のクスリかもしれません。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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