Question

うつ病の夫への接し方

夫がうつ病と診断されて会社を休職しています。気持ちの浮き沈みが激しいのですが、どのように関わっていったらよいのでしょうか?ネットには色々と書かれていますが、何が正しいのかわかりません。すべきこと、してはいけないことなど注意点を教えてください。

女性/40代

2021/12/21

Answer

情報化社会と呼ばれさまざまな情報が気軽に手に入る世の中になり、うつ病に対する理解や知識もだいぶ広まったような印象があります。その一方であふれる情報の中で何が正しいのか、判断に悩むことも多くなったのではないでしょうか。あなたもご主人がうつ病の診断を受け、その関り方に悩んでいらっしゃるようですね。一緒に過ごす時間が長いだけに、苦慮されるお気持ちもよく分かります。


うつ病は“こころの風邪”とも例えられますが、本来の風邪とは異なり、症状は坂道を上るようには回復をせず、一進一退をくり返しながら回復過程を歩みます。その歩みを助けるのは専門医による治療と服薬、そして十分な休養になります。ただ、うつ病の症状には自分を価値のない人間だと考える“自尊心の低下”や、なんでも悪い方向にとらえてしまう“マイナス思考”があり、休養そのものに罪悪感を感じてしまうことも少なくありません。その気持ちを少しでも和らげるためには、「今はゆっくり休むことがあなたの仕事」と、安心して療養できる環境や雰囲気作りを大切にしてください。


接し方の注意点として「がんばれと励ましてはいけない」といわれますが、これも自尊心の低下やマイナス思考などの症状に関わってくる問題のひとつです。罪悪感や引け目を感じているところに「がんばれ」という言葉は、焦る気持ちや自分を責める気持ちを引き起こしやすくなります。ご主人がつらさを訴える時は、無理に言葉をかける必要はありません。かたわらに寄り添い、その言葉にじっと耳を傾けてあげてください。そして、一緒にゆっくりと回復を目指していきたいと思っていることを伝えてくださいね。


注意すべきこととしてもう一点付け加えるならば、大事な決断は避けるようにしてください。病状が不安定なときは退職や転職を口にすることもあるかもしれませんが、マイナス思考が作用している段階では冷静な判断ができているとはいえません。その際は、状態が安定してから一緒に考えていくことをうながしてあげてくださいね。その状態が安定しているか否かに関しては、一緒に生活している家族だからこそ経過を見守ることができるのです。食事や睡眠がきちんと取れているか、生活リズムも一緒にチェックしていただければ心強いですね。


うつ病の家族を支えるのは、そう簡単なことではありません。気持ちの浮き沈みに影響されて、周囲の人々が精神的に疲れてしまうケースも多々あります。病気で苦しんでいるご主人を前にして、息抜きはなかなかむずかしいかもしれませんが、時には外出して気分転換することも大切です。ご自身の心身が健康であるからこそ、大切な家族を支え守れるということを、ぜひこころに留めておいてお過ごしください。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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