Question

認知症とうつ病を見分ける方法は?

最近、70歳の母の様子がおかしいことに気づき、認知症かうつ病を疑っています。よく見られる症状としては、気分の浮き沈みが激しい、誰かが自分の財布を隠したと言う、夜眠れない、食欲がない、外出をいやがるなどです。ふだんから割と細かい性格でしたが、最近は突然物事にいい加減になったり、かと思うとどうでもいいことにこだわったりと、家族も対応に困っています。認知症とうつ病は症状が似ていると聞いたことがありますが、母の場合はどちらの可能性が高いのでしょうか。また、受診の際はメンタルクリニックでよいのでしょうか。

男性/40代

2021/12/21

Answer

お母様がこれまでと違うご様子でいらっしゃるとのこと。心配ですね。食欲がない、よく眠れないなどの症状も続いておられるようですし、早めに受診することをおすすめします。


おっしゃるとおり、認知症とうつ病は、記憶力や集中力が低下する点などで、一見すると似た症状を呈することがあり、見分けるのがむずかしい場合があります。また、認知症にもさまざまなタイプがありますし、それらとうつ病は並発する可能性もあります。ご相談の症状からは、ほかの病気である可能性も否定できません。これらの鑑別は問診だけではむずかしく、家族からの生活状況の聴取、さまざまな種類の心理テスト、MRIなどの画像検査などの結果を参考に、専門医が総合的に判断し、診断するのが一般的です。


受診するのは、メンタルクリニックのような一般的な精神科、神経科でもよいと思いますが、MRIなどの検査機器がある機関の方が、診察が一ヵ所ですみますので、それを利点と考えれば、総合病院や認知症の専門病院のようなところもよいでしょう。受診をすすめる際には、「食欲がないみたいだから、念のため病院で診てもらおう」などと、お母様に負担のかからないような声かけをしてみてください。どうしても拒まれる場合には、かかりつけの他科の医師でも構いませんので、お母様の症状を伝えて、適切な機関に紹介状を書いてもらうこともできます。かかりつけの先生から、「心配な症状があるので、こちらで診てもらってきてください」などと言われると、ご本人も安心して受け入れられることが多いようです。


不眠の症状があるとのことですが、高齢の方で、昼夜逆転による夜間の不眠が続くと、認知症のような状態になることがあります。このような場合は、睡眠のリズムを整えることで改善が期待できますので、無理のない範囲で気をつけてあげるとよいでしょう。例えば、日中に光を浴びたり、散歩などで体を軽く動かしたりして、長時間の昼寝をしてしまわないようにするなどです。認知症やうつ病の療養においても、睡眠と覚醒のリズムを保つことはとても大切です。もちろん、こういった場合でも上記のような病院を受診し、きちんと医師の診断を受けることが必要になります。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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