Question

衝動が抑えられない

自分で自分の衝動が抑えられず悩んでいます。お金があまりないのに欲しいと思った物を無理して買ってしまったり、次の予定があって時間がないのに、興味のある店を見つけると立ち寄ってしまったり、自分の欲求や衝動を我慢することができません。また、静かにしなければいけないところで音を立ててみたくなったり、入ってはいけない場所に立ち入ったりと、周りに迷惑をかけるとわかっていることでも、行動を静止できなくなってしまいます。子どものころも同じようなことが度々ありましたが、子どもだからという理由で許されてきました。しかし、大人になった今はトラブルになることもあり、どうしたら自分の衝動を抑えられるのかがわからず対処に困っています。

男性/20代

2021/12/21

Answer

文面から、困っているお気持ちがよく伝わってきました。衝動をうまく抑えられないと、周りの人たちとの間に問題が起きやすいですよね。しかも、あなたが実は困り果てていることや、本当は自分で解決しようと努力してきたということは、おそらく周りにはほとんど伝わっていないのではないでしょうか。そうであれば、これまできっと周りの不理解や非難があったはずで、あなたもつらい思いをしてきたことだろうと思います。

衝動をコントロールすることは、誰にとっても容易なことではありません。ただ、手なずけ方というものがあり、うまくやればそうむずかしいことではないので、ここではその手なずけ方をお伝えしたいと思います。


まず、衝動そのものをどうにかしようとしないことが大切です。例えば、食欲でもそうですが、本能に基づくものや、持って生まれた気質、体質からくるものは非常に力が強いので、ただ抑えつけようとしても、たいていはうまくいきません。荒々しい野生馬を捕まえて、いきなり乗りこなそうとしてもうまくいきませんよね。衝動も野生馬と似ていて、乗りこなそうと思ったらちょっとしたコツが要ります。


コツのひとつは、“徐々に慣らす”というやり方です。馬であれば、人が乗り始める前に鞍を背中に乗せて、まずは鞍から慣らす、という段階が必ずあります。衝動のコントロールも同じように少しずつ進めます。最初のステップは、“5秒だけ我慢する”ところからでもよいでしょう。「静かにしなければいけないところで音を立ててみたくなる」という衝動に取り組むなら、最初は5秒だけ「1、2、3、4、5」と心の中でゆっくりカウントします。これだけでも、じつは衝動を5秒我慢したことになります。5秒くらいなら難なくできるでしょうから、続けて3分間、音を立てないように我慢してみます。時計の針を見てもいいし、音の出ないタイマーを使ってもいいでしょう。たった3分でも、成功したならカレンダーにシールを貼ったり、かわいいスタンプを押したりして、自分へのご褒美とします。10個シールが貯まったら好きな買物をしていい、などと目標設定をするのも一案です。こうやって、我慢する時間を少しずつ延ばしていき、10分でも我慢できるようになると、「音を立ててみたい」という気分はすでに薄れているか、他のものに気を取られ始めているかで、もう音を立てないで済むようになります。


ここまでは、ご自分でできる工夫について紹介してきましたが、取り組んでみても状況が変わらない、もしくは日常生活や人間関係に支障が出ているという場合は、心療内科あるいは精神科の受診を検討してもよいかもしれません。子どもの頃も同じようなことが度々あったとのことなので、ADHD(注意欠如・多動性障害)という発達上の偏りがある可能性があり、もしADHDであれば薬物療法で衝動性が軽減し、かなり楽になる場合があります。もし病院の敷居が高く感じられるようでしたら、先に、発達障害者支援センターという各都道府県・指定都市にある専門機関に相談してみるのもよいと思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

関連するキーワード

感情コントロール
大人の発達障害
心療内科
症状別診療科
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。