胆汁色素

最終編集日:2022/7/29

胆汁とは脂肪やビタミンの消化・吸収を助ける消化液で、肝臓でつくられています。胆汁の主成分のひとつがビリルビンという黄色い色素で、これを胆汁色素といいます。ビリルビンは、寿命がつきて壊れた赤血球のヘモグロビン(血色素)が肝臓で分解されて生じたものです。
ビリルビンは胆汁として胆嚢にいったん保管されますが、私たちが食事をすると胆嚢から十二指腸に送り出されます。そのあとは腸管内で腸内細菌によって分解され、ウロビリノーゲンになります。ウロビリノーゲンのほとんどは便と一緒に排泄されますが、一部は腸管から吸収されて血液中に入り、腎臓でこされて尿中に排泄され、尿ウロビリノーゲンとなります。また、一部は血液中から肝臓に戻りビリルビンとなります。この流れを腸肝循環といいます。
通常、ビリルビンは肝臓から胆汁として腸管に送られるため、血液中にはほとんど存在しませんが、胆汁の通り道である胆道(肝臓から十二指腸まで)の流れが悪くなるとビリルビンがたまり、血液中にあふれ出てきます。
一方、ウロビリノーゲンの大部分は尿として排泄されます。尿中のウロビリノーゲンの増減によって、肝臓や胆道の異常を調べることができます。


総ビリルビンの基準値(血液検査)

0.0~1.1㎎/dL
(日本予防医学協会)


基準値より高い場合に疑われる病気

肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆道系疾患、体質性黄疸など


尿ウロビリノーゲンの基準値(尿検査)

正〜+ ※弱陽性(±)
(日本予防医学協会)


陽性(++以上)が出た場合に疑われる病気

急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、溶血性貧血など


陰性(-)が出た場合に疑われる病気

閉塞性黄疸、胆道閉塞など

監修

寺下医学事務所 医学博士

寺下謙三

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