単純性腎嚢胞

たんじゅんせいじんのうほう

最終編集日:2023/10/26

概要

腎臓に嚢胞(体液が入った袋状のもの)ができる病気です。「単純性」腎嚢胞は非遺伝性で、遺伝性の腎嚢胞(常染色体劣性多発性嚢胞腎:ARPKD、常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD、ネフロン癆〈ろう〉:NPHP、常染色体優性尿細管間質性腎疾患:ADTKDなど)とは別の疾患として捉えられています。

単純性腎嚢胞は頻度の高い良性の病気で、健康な人の健康診断の超音波(エコー)検査で、50~70代の10%以上に見つかるとされています。片方の腎臓に1個だけ、というものから、両方の腎臓に複数個というものまで、さまざまですが、遺伝性のものほど多発はしません。同じく後天性の腎嚢胞には、複数個発生する「後天性多発腎嚢胞:ACDK」があります。おもに、長年の透析療法を受けている患者さんにみられます。

原因

原因は明らかになっていません。

症状

通常、自覚症状はありません。健康診断やほかの病気での超音波検査で発見されることがほとんどです。

嚢胞の場所によっては、腎盂(じんう)や尿管を圧迫して尿路狭窄を起こす場合があります。その場合は、水腎症の症状(腰痛、背部痛、排尿量の低下:乏尿など)が現れることがあります。

検査・診断

超音波検査で嚢胞の場所、個数、大きさなどを把握し、血液検査・尿検査で腎機能の低下の有無を確認します。遺伝性の腎嚢胞との鑑別が何よりも重要です。また、嚢胞性腎がんや結節性硬化症などとの鑑別も行われます。

治療

一般的に、単純性腎嚢胞は、治療の必要はありません。嚢胞は増えても腎臓が大きくなることはなく、腎機能の低下もみられません。しかし、嚢胞のできた場所で前述のように水腎症を起こすリスクがある場合には、超音波画像下で嚢胞に穿刺(針を刺す)して液体を吸引・排出する「嚢胞ドレナージ」が行われることもあります。

また「嚢胞感染」を起こすリスクがあります。嚢胞感染を起こした場合は、抗菌薬の投与を行います。感染は治りにくく、再発することもあるため、抗菌薬投与が長引く、あるいは効果がみられない場合には、嚢胞ドレナージの適応になります。

セルフケア

予防

単純性腎嚢胞は加齢とともに発症頻度が高くなります。良性の疾患ですが、健康診断などで指摘されたら、遺伝性の可能性を否定し、腫瘍などを併発していないかを確認するために、必ず受診し、くわしい検査を受けてください。

監修

しみず巴クリニック 腎臓内科

吉田顕子

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