癤(せつ・面疔)せつ・めんちょう
最終編集日:2022/10/31
概要
癤(せつ)は細菌感染症の一種です。皮膚の奥にある毛穴周辺が炎症を起こし、うみがたまって赤く腫れた状態をいい、押すと痛みを伴います。顔の中央周辺にできると面疔(めんちょう)といい、脳にまで炎症が及ぶこともあるため注意が必要です。
自然に治ることもありますが、飲み薬の抗菌薬(抗生物質)が使われることが多く、悪化すると患部の切開や抗生物質の点滴が必要となることもあります。
癤が多発し、くり返すものを癤腫症(せつしゅしょう)といい、複数の癤が皮下でつながってできるものを癰(よう)と呼びます。
原因
黄色ブドウ球菌などの細菌が傷口や毛穴に入り込み、菌が繁殖することで発症します。黄色ブドウ球菌は、皮膚、鼻腔、腸などに常在しています。
症状
毛穴周辺が細菌感染により炎症を起こし、ブツブツとした小さな丘疹(きゅうしん)が現れ、徐々に赤く腫れて、硬くなり、痛みを伴います。悪化するとクリーム状のうみが出て、発熱することもあります。顔や尻、うなじ(首の後ろ)や太もも、背中にできることが多く、まれに病変の近くのリンパ節が腫れることもあります。
検査・診断
問診、視診をしたうえで、患部のうみを採取して培養検査を行います。黄色ブドウ球菌などが検出されると確定診断となります。
治療
自然にうみが出て治ることもありますが、毛穴の深い部分で起こる炎症のため、ぬり薬では治療がむずかしく、多くは飲み薬の抗菌薬が使われます。化膿がひどい場合は、皮膚切開や抗生物質の点滴が必要となることもあります。
セルフケア
予防
抵抗力が落ちているときにできやすいため、日頃から食生活に気を配り、睡眠を十分にとり、疲れやストレスをためないよう気をつけることが大切です。また、傷口から菌が入り込み繁殖することで炎症を起こすため、かきむしったり、にきびをつぶすなど、からだに傷をつけないよう注意しましょう。
監修
関東中央病院 皮膚科 部長
鑑慎司
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