眼球振盪症がんきゅうしんとうしょう
最終編集日:2022/9/16
概要
眼球振盪症は、眼球が自分の意思とは関係なく無意識に動いてしまう病気で、“眼振”とも呼ばれます。速く動くものを目で追って眼球が動くという生理的な眼振では、治療の必要はありません。
一方、目や脳、神経に異常があって発症する病的眼振症には、先天性と後天性があり、それぞれ原因や症状が異なるため、病状に適した治療が選ばれます。いずれも完治はできませんが、症状の軽減に有効な治療が行われます。
原因
眼球振盪症には先天性と後天性があります。眼球に異常がない先天性眼振の場合、ほとんどが眼球の動きの制御に関する神経障害によるものです。
後天性のものは小脳や脳幹部の障害で起こります。また目や耳にも関係するメニエール病などが原因で起こることがあります。
症状
眼球振盪症で起こる揺れの症状は、速度や振幅がほぼ一定に往復する振り子眼振と、往復で速度が異なる律動眼振があります。
●先天性眼振
両眼に発症します。視力が悪く乱視を合併しやすい傾向にあります。
●後天性眼振
物が揺れて見える、また、めまいや耳鳴りなどが起こることもあります。
検査・診断
検査方法は、物を注視している状態で行うもの(注視眼振検査)と注視していない状態で行うもの(非注視眼振検査)があります。
●注視眼振検査
被験者の目の前に出した指を注視してもらい、指を上下左右に動かしたときの目の動きをチェックします。
●非注視眼振検査
目の焦点があわないようにする特殊な眼鏡を使い、物を注視しない状態にして、頭の位置を動かしたときに眼振が起こるかを調べます。
治療
根本的に治す方法は今のところありませんが、眼鏡やプリズム療法(特殊な眼鏡を使い症状を軽減)、薬を使った治療、手術療法などで症状を軽減します。
原因となっている病気がある場合は、原因疾患の治療を行います。
セルフケア
予防
脳や神経、生活習慣病など、原因となる病気にかからないように気をつけることが大事です。食生活、睡眠、適度な運動などに配慮し、健康を保つことが予防につながります。
監修
井上眼科病院 院長
井上賢治
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