デリケートゾーンのかゆみ。いつもと違うおりものは腟炎の可能性
最終編集日:2023/8/14
夏は下着の中が蒸れやすくなり、デリケートゾーン(外陰部)のかゆみが起こりがちです。自然に治ることも多いのですが、病原菌などによる感染が原因でかゆみが生じることもあるので注意が必要です。
●かぶれによるかゆみ
デリケートゾーンは皮膚の角質層が薄いため、バリア機能が弱く、異物などによる刺激の影響を受けやすい部位です。しかも、経血やおりもので汚れたり、ナプキンや下着によってこすれたり、ストッキングやガードルなどの着用で通気性が悪くなって蒸れたりすることも多いため、かぶれてかゆみが生じやすい場所といえます。かゆみに気づいてデリケートゾーンを清潔にしたり、締め付けのない通気性のよい服装にしたりすると、かゆみが治まることがよくあります。しかし、かゆみが長く続き、ときに痛がゆいような場合は、かぶれの悪化や外陰炎などの可能性があるので、婦人科を受診しましょう。かゆいからといって、石けんでゴシゴシ洗うとかえって悪化するので気をつけてください。
●いつもと違うおりものがあったら速やかに婦人科へ
病原菌などに感染して腟炎が起こり、かゆみが生じる場合もあります。かゆみだけでなく、いつもと違うおりものがあるときは、速やかに婦人科を受診して診断・治療を受けましょう。
〈カンジダ腟炎〉……カンジダはカビの一種で、健康な人のからだに存在する常在菌ですが、疲労やストレス、寝不足などでからだの免疫機能が落ちたときや、抗生物質の使用によって常在菌のバランスが崩れたときなどに異常に増殖し、カンジダ腟炎を引き起こすことがあります。症状は強いかゆみのほか、カッテージチーズのような白くてポロポロしたおりものが出てきます。
〈一般細菌による腟炎〉……カンジダ以外にも、健康な人のからだにはさまざまな細菌が常在していますが、疲れやストレスなどの影響で免疫機能が低下したときなどに、これらの常在細菌が増殖して腟炎を起こすことがあります。かゆみのほか、おりものが増加したり、においがするようになったりします。
〈トリコモナス腟炎〉……トリコモナス原虫(微生物)に感染して起こる腟炎で、性行為によって感染するほか、まれにタオルやシーツを介して感染することもあります。かゆみとともに、強いにおいのある黄色い泡状のおりものが出てきます。
監修
成城松村クリニック 院長
松村圭子
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