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気温上昇だけではない、体調や基礎疾患が熱中症リスクを高める

最終編集日:2026/6/15

熱中症とは、高温多湿の環境下で体温調節がうまくできなくなり、体内に熱がこもることでさまざまな健康障害を引き起こす状態をいいます。近年の日本では、気温上昇により夏前から熱中症の発生が多くみられています。

熱中症のリスク要因は、気温や湿度などの「環境」だけでなく、基礎疾患(糖尿病高血圧、心臓病、腎臓病など)や体調不良、高齢、肥満といった「体」の状態や、水分の摂取不足、激しい運動をするなどの「行動」の3つが関係します。これらの要素がいくつか重なると熱中症になりやすいことから、基礎疾患のある人や体調不良の人は、特に気をつけることが大切です。


●基礎疾患があると熱中症リスクが高くなる

糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病などの基礎疾患がある人は、健康な人に比べて熱中症のリスクが高くなるといわれています。その理由として、病気や治療薬の影響で体温調節機能が働きにくくなる(体内の水分が失われたり汗をかく機能が抑えられたりする)ことが考えられます。

私たちの体は、暑さを感じると自律神経が働き、血管を広げて血流を増やし、汗をかくことで熱を外に逃がそうとします。しかし、病気や薬の副作用により自律神経がうまく働かないと、この調節に影響が出ることがあります。高血圧や心臓病では、血管の柔軟性の低下や心機能の低下により体表の血流が増えず、効率的に熱を逃がすことが困難になります。また、体温を調節するために汗をかくことがうまくできず、それらが合わさって熱中症になりやすいのです。そのほかにも、体内の水分や塩分バランスを調整する機能が低下しているために、水分制限をしていたり、利尿薬を服用している場合は、脱水が進みやすくなることもあります。


●基礎疾患がある人の熱中症予防のポイント

基礎疾患がある人は、熱中症リスクが高く、重症化しやすい傾向があるため、次の点に注意して過ごしましょう。

・こまめな水分補給

のどの渇きを感じにくい場合があるため、時間を決めて意識的に水分をとるようにしましょう。ただし、水分のとり方は、病状によって異なります。心臓病や腎臓病などで水分や塩分の制限がある場合は、医師に相談して適切な摂取量を確認してください。

・エアコンで温度と湿度を管理

エアコンで室内の温度と湿度を調整しましょう。室温は28℃程度を目安にしながら、湿度が高くなり過ぎないよう調整することが大切です。また、直接冷風が体に当たらないよう、風向きと風量にも注意しましょう。

・気温が高い日の外出は控える

体温をうまく下げることができない場合があるので、暑い日の外出はできるだけ控えたり、時間帯を工夫したりして、無理をしないようにしましょう。


●体調によっても熱中症リスクは高まる

熱中症の発症には、体調も大きく影響します。基礎疾患がない人でも、体調が万全でないと熱中症リスクが高まることがあります。

寝不足や疲労、風邪などの体調不良のときは、自律神経の働きが低下し、体温調節がうまくいかなくなることがあります。

また、朝食を抜いた状態や、飲酒、下痢などで、体内の水分が不足している場合は、暑さで少し汗をかいただけでも脱水が進み、熱中症になりやすくなります。

日頃から、欠食せずバランスのとれた食事をとること、こまめな水分補給、十分な睡眠、過度の飲酒を控えることなどを心がけ、体調を整えることが熱中症予防につながります。


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監修

臨床教育開発推進機構 理事

三宅康史