なんとなく不調」が続く…これって冬バテ?
最終編集日:2026/2/9
暑い季節に体調不良が生じることを「夏バテ」といいますが、「冬バテ」はご存じでしょうか。寒い季節になると体調が悪くなる人が多いことがわかり、これが冬バテと呼ばれています。冬バテの症状や要因、対策を解説します。
●注意したい8つの症状
冬バテは医学的な病名ではありませんが、冬特有の気候によって起こる心と体の不調を指す言葉として使われています。代表的な症状は次の8つ。4つ以上当てはまったら注意が必要です。
・疲れやすい
・寝ても疲れがとれない
・体がなんとなくだるい
・寝つきが悪い
・頭痛と肩こりが続く
・便秘や下痢になりがち
・気分が落ち込む
・めまいがする
●寒暖差、日照時間の短さ、血流低下、乾燥が冬バテの要因
冬バテが起こる大きな要因は寒暖差です。寒い屋外と暖かい屋内の温度差に対応するため、体は自律神経を働かせて体温調整を行っていますが、急激な寒暖差を繰り返しているうちに自律神経に負担がかかってバランスが乱れ、その結果、さまざまな身体症状が現れると考えられます。最近は秋が短く、急に寒くなる傾向にありますが、こうした気候変化も自律神経に負担をかけています。
日照時間の短さも冬バテの一因です。太陽光は、精神を安定させるセロトニンという神経伝達物質の分泌を促しますが、冬は太陽光を浴びる時間が短くなるため、セロトニンの分泌量が減ります。そのため、気分が落ち込みやすくなったり、意欲が低下するといった精神的な不調が現れがちです。
寒さによる血流の低下も冬バテを招きます。寒いと血管が収縮するため血液の流れが悪くなって冷え性が促進されたり、体の各部への血流が低下することで肩こりや腰痛、便秘、食欲不振などが起こることがあります。
さらに、空気の乾燥も無視できません。乾燥した環境では、のどや鼻の粘膜も乾燥して弱くなりやすく、その結果、感染症にかかりやすくなったり、睡眠の質が低下したりします。
●心身をケアして冬バテ予防・緩和
冬バテは、冬特有の気候によって自律神経が乱れたり、心身を健やかにする体のしくみが崩れたりすることで起こります。心と体をケアすることで、体調不良を予防・緩和しましょう。
自律神経を整えるには、入浴が効果的です。38〜40℃程度のぬるめの湯にゆっくりつかると、副交感神経が優位になって心身がリラックスモードになります。血流もよくなって冷えや肩こり、腰痛などの改善、睡眠の質アップが期待できます。
血流をよくするには、体を温めてくれる食事をすることが大事です。体を温める作用のある根菜類やしょうが、ねぎ、熱エネルギーを作り出すたんぱく質がとれる肉、魚、卵、大豆製品をはじめ、栄養バランスのよい食事をとりましょう。ウォーキングやストレッチなどの軽い運動も血流をよくしてくれます。
太陽光も積極的に浴びましょう。朝起きたらカーテンを開けて太陽光を浴びると、体が活動モードになりやすいです。
冬バテは暖房による乾燥によって促進されがちなので、加湿器を使ったり、洗濯物を室内に干すなどして室内の湿度を40〜60%程度に保つとよいでしょう。
これらの対策をしても症状が緩和されず、日常生活を送るうえで支障が生じているようなら、かかりつけ医や内科、気象病外来などを受診することを検討してみましょう。
監修
愛知医科大学 客員教授
佐藤 純