感染力が強い麻しん ~大人も追加予防接種の検討を

最終編集日:2023/5/31

「はしか」とも呼ばれる麻しんは、麻しんウイルスに感染することで起こる急性の全身感染症です。その感染力は非常に強く、インフルエンザの10倍ともいわれています。空気感染、飛沫感染、接触感染で人から人へと移り、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。


かつては、子どものうちに感染し、自然免疫を獲得するのが通常でした。しかし、麻しんワクチンの接種率が上がったことで自然に感染する人は少なくなりました。

そのため、幼少期に定期接種としてワクチンを1回しか接種していない人は、十分な免疫をもっていない可能性があります。実際、2007~2008年に当時の10代から20代を中心に麻しんが流行しました。この対策として2008年から10代への免疫強化を目的に、2回目のワクチン接種が期間限定で実施されましたが、接種率はあまり高くありませんでした。結果、現在20~50代の人では麻しんに十分な免疫を持たない可能性がある状況です。


2023年春から、関東を中心に麻しんの感染が報告されています。空気感染するため、マスクや手洗いのみでは十分に予防することができません。麻しんを予防するには、積極的なワクチン接種(麻しん風しん混合ワクチン)が求められます。


麻しんは感染すると約10日後に発熱、せき、鼻水といったかぜのような症状が現れます。熱が2〜3日続いたあと、39℃を超える高熱と発しんが現れるのが特徴です。重症化した場合、1000人に1人は死亡する可能性のある病気です。

また、妊婦が感染すると流産や早産のリスクも高まるため、妊娠する可能性のある女性はもちろん、その家族や友人、職場の人など、周囲もうつさないように気をつけなければなりません。


麻しんにかかったことがない人、2回の予防接種歴が不明な人は、積極的に予防接種を検討しましょう。不安なことがあれば、かかりつけ医に相談してください。

監修

保健同人フロンティアメディカルチーム

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