合併症に要注意!溶連菌感染症

最終編集日:2025/12/29

溶連菌感染症(A群溶血性連鎖球菌咽頭炎)」は、A群連鎖球菌がのどに感染して起こる病気です。

おもに5〜15歳の子どもに多く、感染経路は咳やくしゃみに含まれる細菌を吸い込むことで感染する飛沫感染です。


●溶連菌感染症のおもな症状

2〜5日の潜伏期間を経て発症し、38度以上の発熱とのどの強い痛み・腫れが典型的な症状で、吐き気や腹痛など「おなかの症状」が出ることもあります。一方で、一般的な風邪と違い、鼻水や咳は少ないのが特徴です。

発熱後半日〜数日ほどで細かい点状の赤い発疹が現れることがあり、これを「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼びます。首、わきの下、太ももの内側など、圧迫される部位に出やすく、赤くざらついた「いちご舌」が見られることもあります。

大人も感染しますが、症状は軽く、感染に気づかないケースも少なくありません。


●治療の基本は抗菌薬

溶連菌感染症は、抗菌薬を適切に服用することで、通常24時間以内に感染力が著しく低下し、家族や周囲への感染リスクを下げることが可能です。

処方された抗菌薬は、症状が改善しても、必ず最後まで飲み切ることが大切です。途中でやめると再発や耐性菌、合併症のリスクが高まります。


●注意したい合併症

《リウマチ熱》

治療が不十分だった場合に起こる可能性があり、関節、心臓、皮膚、神経系に炎症反応が生じます。関節痛、胸痛、意思と関係なく筋肉が動く「不随意運動」(舞踏病)などがみられることがあります。

《急性糸球腎炎》

感染から10日前後に発症することがあり、血尿、むくみ、高血圧などが現れます。回復後に腎機能障害が残る場合があります。


●「劇症型溶連菌感染症」との違いとは

A群連鎖球菌は、まれに「劇症型溶連菌感染症(劇症型溶血性レンサ球菌感染症:STSS)」を引き起こします。

STSSは傷口から侵入するケースが多く、大人に多いのが特徴です。発熱や全身倦怠感などの症状から始まり、急速にショックや多臓器不全に進行することがあります。死亡率も約30%と高く壊死性筋膜炎などとともに「人喰いバクテリア」と呼ばれることもあります。発症は極めてまれですが、近年増加傾向にあります。



溶連菌感染症は例年、冬と春〜初夏にかけて2回の流行のピークがあります。

のどの強い痛みを感じるときは、早めに医療機関を受診すると安心です。

A群連鎖球菌に対するワクチンはないため、日頃から手洗い、うがい、マスクの着用など、基本的な感染対策をしっかり行いましょう。



※2025年12月16日現在の内容です。


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監修

みんなの家庭の医学メディカルチーム