顔色、体表の色の変化
最終編集日:2024/1/19
概要
顔色がいい、悪いという言い方をしますが、その人のもともとの肌の色やみる側の主観が大きく反映されます。健康でも肌の色が白い人もいますし、貧血や体調が悪くてももともと濃い色の肌の場合は、わからないことも多いものです。
●血の気がない顔色
極度に緊張して精神的なストレスが襲ってきたときに、一時的に血の気が引くことがあります。これを顔面蒼白といいます。皮膚の血管が収縮するため、こうした現象が現れます。この状態がつづく場合は高度の貧血が疑われます。
●黄色い顔色
顔色が黄色くなるのは黄疸です。顔色で判断できない場合でも、白目の部分が黄色くなっていれば黄疸と考えられます。黄疸は皮膚のかゆみも併発します。
黄疸は胆汁の成分(ビリルビン)が血液中にあふれることで起こる症状で、顔だけでなく全身の皮膚や粘膜が黄色みを帯びます。
この場合は肝臓や胆嚢に何かしらの異常が起きたと考えられますので、すぐに医師の診察を受けましょう。
みかんの食べすぎなどで手足の皮膚が黄色くなることがありますが、これは黄疸ではなく柑皮症といいます。黄疸とは異なり白目は黄色くなりません。
●そのほかの肌色の変化
・肝斑
女性ホルモンや紫外線などが原因となっていて、おもに頰骨の高い部分に、色むらがない茶色のしみが左右対称に発生します。
・肝臓や副腎の異常に伴い皮膚に色素沈着が出る(ヘモクロマトーシスやアジソン病)こともあります。
・そばかす
遺伝的な要因が強く、色白の人に多くみられます。太陽光線などに含まれる紫外線によって色が濃くなると考えられています。
・老人性色素斑
紫外線と加齢に伴って出現する色素沈着で、茶色の盛り上がりのないしみが顔、うで、手の甲などに多く現れます。
・しろなまず(尋常性白斑)
表皮組織にあるメラニン色素を生成するメラノサイトという細胞が異常を起こし、メラニン色素が減少してその部分の皮膚が白くなってしまう症状です。原因は不明ですが、免疫異常や遺伝性などが影響していると考えられています。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・黄疸が出て、発熱や腹痛、関節痛などの症状がある
・黄疸とともに眠気、興奮、錯乱などの精神異常がみられる
医療機関を受診
・顔面蒼白の状態がつづいている
・黄疸が出てかゆみもある
様子をみる
・ミカンを食べすぎて皮膚が黄色くなった
・しみやそばかすが目立つようになった
セルフケア
しみの予防としては、日傘、帽子、サングラスなどで太陽光線のなかの紫外線を遮断することが大切です。また、水面や雪面での照り返しにも注意が必要です。
考えられる病気
監修
関東中央病院 皮膚科 部長
鑑慎司
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