Question

子どもが学校でいじめられている

先日、学校から子どもが泣きながら帰ってきました。問いただしてみると、同級生に携帯電話を壊されてしまったみたいです。数日前にもランドセルに落書きされ、子どもはもう学校に行きたくない、と言い始めました。母親として、どのようにしたらよろしいでしょうか。

女性/30代

2021/12/21

Answer

子どもがいじめられて心配なうえに、学校に行きたくないと言われてしまうと、母親としてもどうすればいいのか、困ってしまいますよね。


さて対処の仕方についてですが、学校への働きかけと、家庭での接し方の2つに分けて考えてみましょうか。


まず前者ですが、もう担任の先生には事実を伝え、対応を要望されていることと思いますが、いかがでしょうか。いじめの場合、子ども本人が、「先生には言わないでほしい」(“チクられた”と思われて報復されるから)とかあるいは、親以外の誰かに相談を持ちかけている場合では、「親には言わないでほしい」(親に心配をかけたくないから)などと、他者からの介入を避けようとする傾向があります。


例えもし子どもがが「先生には言わないで」と、あなたに釘を刺したとしても、まだ担任に連絡していないのであれば、まず子どもを説得し、納得してもらったうえで、やはり先生に伝え、いじめへの介入を求めることをおすすめします。教師の介入なしで、子ども同士や親だけで解決できそうだ、という見通しがもてるのであれば、それでもよいですが、一般的には、担任をはじめ学校側に動いてもらうのが効果的で、解決も早いものです。安全が確保されれば、自然に、子どもの登校しぶりもなくなるでしょう。


また“チクッた”と見なされないように担任に加害児童を指導してもらう方法もあります。例えば、学級活動や道徳の時間にクラス全員に向けて道徳的な話をしてもらう、あるいは、先生がいじめを見聞きした複数の同級生から情報を得た、という形で加害児童に指導をしてもらうなどです。介入の要望と合わせて、担任に相談してみてはいかがでしょうか。


続いて家庭での接し方についてですが、、親や教師がいじめを止めようと奔走するなかで、肝心の子どもの気持ちが取り残されることがあります。家庭での子どもへの接し方は、親の教育方針によってもさまざまなので一概にこれがいい、とは言えないですが、カウンセリングの視点でいえば、やはり、子どもの気持ちに寄り添うことがおすすめです。例えば、「携帯こわされちゃったか。悔しいね、嫌だったね(あるいは、怖かったね、とか、腹立つよね)」などと気持ちを酌んであげたり、さらには「大丈夫、お母さんが守るから」と言ってあげたりして、いつでも見守り、助けになる、という姿勢をしっか見せることが大切だと思います。


親も人間ですから、つい子どもの気持ちの弱いところを責めてしまったり、ランドセルが汚されたことや携帯が壊されたことで、「いくらかかったと思っているの!」などと、金銭的な話を強調してしまいがちです。そうすると、子どもの不安や辛さがケアされないまま置き去りになってしまうので、何が重要なのか、今一度見直してもらえたらと思います。


最後に、「学校に行きたくない」という子どもの訴えに対してはどう対処したらよいのでしょうか。「そのくらい何だ!」とか「やられたならやり返せ」とスパルタ式に登校を促す方法もありますが、最近の子どもたちには強引なやり方は奏功しないことがあり、下手をすると心に禍根を残すこともあるためもう少しじっくり子どもの気持ちと状況を見極めたいところです。


文面からすると、いじめが身体的暴力にまで及んでいる可能性もあり、子どもの「行きたくない」は、決してわがままではなく、痛切な心の叫びであるように思われます。そうであれば、安全が確保されるまで、つまり、いじめが二度と起きないと保証されるまで、子どもが学校を休むのは仕方のないこと、という発想も心の中にセットしておくといいと思います。いかがでしょうか。「OK、今日は休んでいいよ」と言ってあげる心の準備もしつつ、先生たちと連携して、早くいじめをやめるように働きかけていくといいと思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

関連するキーワード

いじめ
子どもの悩み
カウンセリング
子ども同士のトラブル
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。