Question

人の悪口を聞くのが苦手

誰かと話をしている際、その場にいない人の話題になることがありますが、悪口やその人に直接言えないような内容になることがとても苦手です。そういった話題のときに限ってその場に団結感が生まれ、自分もその話題に加わらなくてはならない空気になりますが、とても抵抗があります。まるで自分に負のエネルギーを浴びせられる感じがして、その後ひとりになったときは、イライラしていたり、ぐったりしてしまったりします。どうしたら、そういう場をうまく切り抜けられるようになるでしょう。

女性/30代

2021/12/21

Answer

まず、悪口や陰口は、決してほめられるような行為ではありません。悪口を言うと場が盛り上がることもありますが、あくまで「正々堂々としていない」「卑怯な」「弱い」「後ろめたい」「人をひどく傷つける可能性のある」行為である、と言えます。負のエネルギーを浴びせられる、というあなたの感覚は間違っていません。まずは、そのように感じられるご自身に、自信を持っていただきたいと思います。


では、そもそもなぜ人は悪口を言うのでしょうか?まず、悪口を言う大前提として、人に対して「いやだ」「嫌い」「憎い」というネガティブな感情を抱えている、ということがあります。この感情を、一人で抱えていくのは相当重くてつらいことです。そういったものを、他者に打ち明けて、受け止めてもらえたとき「自分だけではなかった」という安心感がわき、罪悪感や後ろめたさも薄れます。「こんなことを思っている自分は異常ではないんだ」とも思えます。そういった色々な気持ちが、瞬時に共有できて、わかりあえる。それが悪口を言うメリットといえるでしょう。


そう考えると、悪口は、集団が集団としてある程度まとまっていくには、なくてはならないものかもしれません。悪口を言うことで、ある程度気持ちが発散できて、「いやだ」という気持ちに耐えることができる効果があるからです。一人ひとり感覚や価値観は違って当たり前ですから、何でもかんでも腹の底にあることをすべて白日にさらしていたら、ぎすぎすして収拾がつかなくなるかもしれません。逆に、自分の中のネガティブな感情を誰にも伝えず押し殺してしまったら、それも不健康なことだと思います。


ただ、だからといって、悪口を言うことは「よいこと」でもないのです。「必要悪」といってもよいでしょう。存在自体は、「悪」「日陰」のものなので、悪口はあくまでひっそり、こっそり行われるべきものです。悪口を言う、ということが、主流の文化、雰囲気になっている集団というのは、やはりどこかバランスを欠いていると言わざるを得ません。


さて、ここで、あなたの問題を考えてみましょう。あなたは、後でぐったりしてしまうくらい、悪口の場にいることがいやなのですね。それなら、その場にいなければよいのではないでしょうか。悪口は、言う必要に迫られていない人が、無理に付き合わなければいけないものではないのです。トイレに行くから、仕事を終えなければいけないからなど、理由は何とでもつけて、その場から離れればよいはずです。


しかし、それで「解決」とはいかないですよね。なぜなら、あなたは、悪口はいやだけれど、悪口を言う「場」にはいないといけないと思っているご様子です。だから「切り抜ける方法」を知りたいのですよね。しかし、それはなぜでしょうか。「悪口を言わないと仲間として認めてもらえない」と、不安なのでしょうか。自分だけ浮いてしまうのでは、というさびしさからでしょうか。


そもそも、ほかの人の言っている「悪口」が、あなたにとって共感できない時点で、あなたはすでにその場から「浮いて」いるのです。「浮いて」いない演技は、とても大変ですし、どう繕おうとしても、繕いきれるものではありません。「悪口」に共感できないということは、あなたの中で、他者へのネガティブな気持ちがあまりわいていない、ということなのかもしれません。それは、とてもすばらしいことでもあります。そこでご提案ですが、あえて、その場から外れる勇気を持つことを考えてみたらいかがでしょうか。さりげなくその場から外れることは、一時はさびしいかもしれませんが、案外やってみれば簡単かもしれません。それに、ひそかにあなたと同じような気持ちを持っている方と、つながるチャンスにもなるかもしれませんよ。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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