実家に甘える35歳の息子と距離を置きたい

末の息子さんが定職につかず、なかなか独り立ちする気配が見られないとのこと。今後のことを考えると、とても心配な気持ちになることでしょう。また、子どもから頼られると、親としては冷たくもできませんよね。しかし、金銭的な側面もあり、このままの状態が続くことを決してよいとは考えていない、あなたの葛藤が伝わってきました。この相談では、息子さんには自立する力はあるものの、自立する意思がなく実家で生活しているという前提で回答します。

まず、息子さんから金銭的に頼られて、それがこの先も続くのかと困っておられるのは、自然なことだと思います。これから5年先、10年先のことを考えると、ご自身のこれからの生活を最優先させる必要がありますよね。現時点で、無理をして金銭的な援助をしている部分があるのでしたら、できることとできないことを明確にして、息子さんに伝えましょう。そして、一度宣言をしたら、息子さんからできる範囲を超えた要求があったとしても、それには応じないように、あなた自身も覚悟を決めて約束を守ることが大切です。

また、金銭的なことだけではなく、息子さんが今後の生活をどのように考えているかについて、具体的に話し合っていますか。あなたが息子さんの面倒を一生見ることはできないわけですから、息子さんもいつかは親に頼らずに生活していかなければなりません。息子さんを追い詰めるようで、あなたも心苦しい気持ちになるかもしれませんが、息子さんには現実に直面し、将来と向き合ってもらう必要があると思います。

次に、息子さんとの距離のとり方について、考えてみましょう。イライラする時もあるということですから、息子さんが思うように動いてくれないもどかしさや、知らず知らずのうちに生活のペースを息子さんに合わせてしまっているストレスなどが、背景にあるのではないでしょうか。親は、子どもに対して世話をするという役割を担ってしまいがちですが、息子さんはもう大人ですので、まずは、息子さんの生活に合わせるのではなく、自分の生活のペースや、やりたいことを優先させるようにしましょう。息子さんができることで、あなたが代わりにやっている家事などがある場合には、息子さんにやらせることも大切です。また、息子さんが家にいる時は外に出て、なるべく顔を合わせないようにするなど、物理的に距離を取ることも有効です。

いずれにしても、息子さんが実家にいて居心地がいいと感じる環境をつくり続けてしまうと、自立する意思も生まれないでしょうから、息子さんとの接し方について、この機会に振り返ってみてくださいね。