親との同居で愛情と反発が交錯

高齢となった母と一緒に暮らすようになりましたが、昔のつらい記憶や嫌な感情がよみがえってきて苦しいです。母を大切にしたい気持ちもあるのに、同時に距離を置きたいとも感じてしまい、自分の中でどう折り合いをつければよいのか分からず、心が疲れてしまっています。
この質問への回答
みんなの家庭の医学メディカルチーム
相反する2つの気持ちの間で悩まれるご相談者のお気持ちが伝わってまいりました。
1人の人や1つの出来事に対して、まったく異なる感情を同時に抱くことは、人間としてごく自然なことです。たとえば「大切にしなければならない存在」と感じる一方で、「距離を置きたい」と思うこともあるでしょう。そのような複雑な感情を抱かれているのは、それだけ相手に対して深いかかわりや思いがあるということだと思います。
これまでの人生で、さまざまな出来事を相手との間で体験されたことでしょう。その中には、心に残るつらいことや、嫌悪感を持ったり反発を感じたりされたこともあったのではないでしょうか。そういった相反する感情が、再び近い距離で接することによって、感じられているのかもしれません。
相手との距離が近すぎると、それだけ感情も強く揺さぶられがちです。物理的にも心理的にも、少し相手と離れることができれば、また冷静な気持ちを取り戻せることもあります。
例えば、介護が必要な場合には、施設の利用を選択肢の一つとして考えてみるのもよいかもしれません。介護保険の認定を受けていれば、担当のケアマネジャーに相談することもできますし、認定前であれば地域包括支援センターなどで専門家の意見を聞いてみることも可能です。
「こうしなければならない」「この方法しかない」と思い詰めてしまうと、ご自身がますますつらくなってしまいます。相手や自身に対して「こうでなければ」と強く思い過ぎず、例えば、施設の利用までいかなくても、家庭内での距離の取り方を工夫することもできるかもしれません。ご自身の心を整えるためにも、好きなことやリラックスできる時間を持つなどして、気分を変えてみることも大切です。


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