後縦靭帯骨化症の治療について知りたい

後縦靭帯骨化症の治療は、一般的には症状が軽度の場合は保存療法を、重症の場合は手術が選択されます。

保存療法では、障害を受けている神経への圧迫をできるだけ減らし、保護する治療を行います。頸椎カラーの装着、首・肩、背中、腰、足などのストレッチや筋力増強、可動域を改善する訓練、歩行訓練、薬物療法（消炎鎮痛薬、筋弛緩薬など）、神経ブロック注射が行われます。

保存療法の効果がみられない、あるいはすでに歩行障害や排尿・排便にかかわる障害が現れている場合には、手術を考慮します。手術は骨化した部分を摘出する方法（前方法）と、骨化した部分はそのままにして障害されている神経の圧迫をとるために脊柱管を広げる方法（後方法）があり、病変の位置や範囲、状態、神経を障害する程度、症状、全身状態などにあわせて、術式が選択されます。

書字や箸の使用がうまくいかない、階段の昇り降りで手すりが必要になったなど、機能障害の悪化がみられ、生活に支障をきたすような状態であれば、手術を行うことが多いようです。

生活のなかでは、症状を悪化させないような注意が必要です。後縦靭帯骨化症があると、通常ではダメージの少ない、軽い外力による刺激でも脊髄を損傷する場合があるため、転倒・転落などには十分な注意が必要です。また、頸椎後縦靭帯骨化症では首を後ろに強くそらせる動作を避けることも重要です。

後縦靭帯骨化症は数年～10年たつとほかの部位に再発する可能性があるため、継続して定期的な検診を受けるようにしましょう。