Question

部下への指導のつもりがパワハラ扱いされる

以前、少々強めに注意した部下が休職したことがあり、それ以来、職場の空気が悪化しています。このことで、私も上長からパワハラと受け取られないよう気をつけるよう指導を受けたので、以前よりも慎重な言動を心がけています。しかしその部下から、もうついていけないと言われてしまいました。会社や部下のためになることであり、しかも気をつけているのに、これ以上どうしたらよいのでしょうか?

男性/40代

2024/02/10

Answer

部下の休職や上長からの指導など、ご自身も苦しい経験を乗り越えてきたのではないでしょうか。上司が部下に注意をすること自体は、管理職の役割でもあり、ご相談者が考えるように、通常はそれが会社や部下のためになるはずです。部下をきちんと指導しようと考える、責任感や正義感の強さが伝わってきました。しかし、注意を受ける側が大きなストレスを感じるほどの状況だと、かえって悪い結果を生んでしまう恐れもあるので、伝え方を工夫するなどして慎重に対応する必要があります。


部下は、どのような点に「もうついていけない」と感じているのでしょうか。注意の内容が細かすぎて、すべてを受け止めるのがむずかしいのか、あるいは口調などが厳しく感じられて、つらくなってしまうのかなど、部下の気持ちをもう少し詳しく知る必要があるように感じました。もちろんご自身としては、慎重に注意をしていることと思います。ただ、ご相談者が気をつけていることと、部下が改善してほしいと考えていることにずれがあれば、せっかく努力をしても、よい方向につながらないのではないでしょうか。


まずは、部下がどういった点をつらいと感じているのか、注意の仕方がどう変われば気持ちが楽になるのかを理解することが大切です。そのためには、部下と十分に話し合う機会を持てるとよいのですが、部下が休職に至った原因をご自身の接し方の問題だと認識しているなら、ご相談者と部下だけでの話し合いはむずかしいことも予測されます。もし、部下と2人で話すのがむずかしい場合は、状況を把握している上長に、部下との話し合いの仕方について相談するのはいかがでしょうか。場合によっては、上長もしくは中立的な立場の産業保健スタッフなどに同席してもらうのも1つです。いずれにしても、お1人で対応を抱え込むのではなく、しかるべき人たちに相談しながら検討するのがよいと思います。


日頃から上司と信頼関係が築かれていると、部下も上司からの注意や指導を受け止めやすくなります。例えば、部下がうまく仕事を進められたときには、ほめたり労ったりすることも大切です。業務が忙しいと、ついできている状態を当たり前と捉え、足りない部分やできていない部分ばかり指摘していませんか。ふだんできていることや努力していることなど、よい面もきちんと評価をしたうえで注意や指導をするだけでも、部下が受ける印象は大きく違ってくるでしょう。


ハラスメントや職場でのコミュニケーション、管理職としての傾聴の仕方について、研修などを受けたことはありますか。近年では、このような管理職向けの研修がたくさんあり、参加することで部下の気持ちや部下と接する際に気をつけるべきポイントなどについて、正しい知識が得られることでしょう。また、ご自分のコミュニケーションのパターンや考え方の傾向などを客観的に振り返ることで、パワハラの予防に役立てられるので、ご自身を守ることにもつながります。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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