体調不良を理由に欠勤をくり返す
息子は昨年、大学を卒業して就職しました。第一志望の企業に就職することができ、本人も意気揚々と社会人としての第一歩を踏み出しました。ですが、半年がたったころから体調不良を訴え、たびたび会社を休むように。病院へは行ったようですが、とくに異常は見つからなかったようです。父親としてどう言葉をかけるべきでしょうか?
男性/50代
2021/12/21
社会人になったとはいえ、子どもであることに変わりはありません。どう助けてよいかわからない、何が起きているのか手がかりもつかめないといった状態が生じているときは、少し違った視点で考えることが役立ちます。
まず、どのように声をかけるべきかを考える前に、親自身が自分の心のありようについて意識することが重要です。言葉はその人の価値観や生き方、性格などから生じてくるもので、よかれと思って言ったことも相手にとっては必ずしもそうではないことがよくあるからです。
例えば、親が自分自身の「すぐに状況を変えたい」というあせる気持ちに気づかないまま声をかけると、本人にとっては「今の自分は駄目なんだ」「早くよくならなければいけないんだ」というように、否定された感覚やプレッシャーとして伝わることが多くあります。そのため、まず親が自分の感情がどういう状態なのかに意識を向けておく必要があります。意識していないと、言葉の端々から伝わってしまうからです。
また、本人の気持ちに共感するためには、自分の感情を一旦脇において本人がどう感じているのかを理解するように心がけてみてください。何気ない言葉や、くり返される言葉を丁寧に拾い上げると、その中にヒントが見つかることがあります。その一方で、時には何もせずに見守ることが必要な場合もあります。
社会に出ると、これまでは問題にならず、うまく行っていたことができなくなるということが多々あります。物事の進め方、自分のすることへの自信といったものがそうです。組織の対人関係の中では、必ずしも本人の期待に沿うようなリアクションが返ってくるわけではありません。
そうした状況に遭遇すると、これまでの自信といったものが自虐や自己否定という形で自身に向かうこともあります。ある意味、自信がないことに自信・確信をもってしまう状態が生じるのです。過度に自信や期待を持ちすぎることの弊害といってもよいかもしれません。
親としては、本人ができないことではなく、できていることに目を向けながらサポートをしていくのがよいでしょう。自信は時間と心的なエネルギーを注ぐことで自然に高まるものです。あせらず見守りながら、肯定するサポートを心がけてみてください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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