親が緑内障に。どのような治療法がある？

緑内障は眼圧の上昇により、視神経が圧迫されて障害を受け、視野が欠けてしまう疾患です。ごく初期の場合、片目に症状があっても、両目で見たときに正常なほうの目で欠けている部位を補ってしまうので、自覚症状がないことがほとんどです。また、視野が欠ける症状は10年、20年の長い年月をかけて進行していくことが多いため、視野に不自然さを感じても慣れてしまい、気づきにくい場合もあります。

眼球には内から外へ、一定の圧力がかかっており、これを眼圧といいます。眼圧によって、眼球は丸い形を保っています。眼圧に影響を与えているのが、房水(ぼうすい)です。角膜や水晶体に栄養や酸素を送っている房水が一定の量に保たれることで、眼圧も一定に保たれています。

この房水の生産量と排泄量は、通常はバランスがとれていますが、何らかの原因でバランスが崩れると、房水の量が増え、眼圧が上がってしまいます。

緑内障にはいくつか種類があります。

●原発開放隅角緑内障(眼圧が高いタイプ)……房水の排出口が目詰りを起こしている状態で、房水の排出口の手前にある隅角(ぐうかく)は正常。ゆっくりと眼圧が上がっていきます。

●原発開放隅角緑内障(眼圧が正常なタイプ) ……正常眼圧緑内障ともいい、隅角も眼圧も正常です。原因はよくわかっていませんが、もともとの構造や視神経の抵抗力の弱さとも考えられています。日本人に最も多いといわれています。

●原発閉塞隅角緑内障……隅角が狭くなり、房水の排出が妨げられてしまいます。

●その他……先天緑内障(生まれながら目の構造が未発達なもの)、続発緑内障(外傷やほかの目の病気が原因)があります。

一般的な治療は、薬物療法（点眼薬、内服薬）、レーザー治療、手術療法の3種類です。薬物療法は、眼圧を下げて進行を抑えるのが目的です。房水を流れやすくするもの、房水をつくりにくくするものがあり、組み合わせて使用することもあります。

※眼圧が正常なタイプの緑内障も、眼圧を下げることで、視神経への負担を軽くして進行を抑えることにつながります。

レーザー治療、手術療法は、房水の排出口や隅角に処置を行い、房水を排出しやすくする治療方法です。これらは、薬物療法で十分な効果が出ない場合に検討されることが多いです。

治療内容は緑内障のタイプによって異なり、レーザー治療も手術療法も種類があります。お父さまがどのタイプの緑内障なのか、点眼薬での治療で済むのか、治療の選択肢はあるか、それぞれの治療方法のメリットとデメリットなど、疑問に思うことを主治医に質問しながら、治療方針を立てていただくことをおすすめします。