顎関節症はマウスピースで治る?
歯科検診で、睡眠中の食いしばりなどによる顎関節症(がくかんせつしょう)を指摘されました。マウスピースの使用をすすめられましたが、マウスピースは顎関節症に効果がありますか?
女性/30代
2024/05/09
顎関節症は、あごを動かす筋肉の障害や顎関節の骨の変形、「関節円板」とよばれる骨と骨の摩擦を防ぐクッションの役割をするもののズレなどが原因で起こります。
噛むときに痛む「咀嚼筋痛」、口が開かない「開口障害」、あごを動かすときに音が出る「顎関節雑音」がおもな症状です。
関節円板のズレは、睡眠中の歯ぎしり(かみしめ)など、顎関節への過剰な負担が引き金となることから、咀嚼筋の緊張を緩めたり、顎関節への負担を軽くする目的でマウスピースを使用します。
また、関節円板のズレがひどい場合は、関節腔内に局所麻酔してズレを補正したり、関節の炎症が強い場合には、顎関節の洗浄を行う治療があります。
進行した変形性顎関節症や、癒着したかみ合わせの異常には、顎関節を人工関節に置き換える手術を行うケースもあります。
治療法は、あごのずれや変形の状態や症状(口を開けたときの痛み、口が開けられない・開けにくい開口障害など)の程度などを考慮して選択されます。
顎関節は耳に近いために「音が気になる」という人も少なくありませんが、痛みや開口障害が軽度なケースでは、手術などの外科的治療の対象にはならない場合もあります。
また、セルフケアや鎮痛薬などの対症療法で、数か月から1年程度で、あごに対する治療を行わなくても改善されるケースもあります。
顎関節症の治療の多くは口腔外科で行われますが、かみ合わせに関しては矯正歯科、ストレスからくる噛み締めには心療内科など、別の診療科と連携しながら治療をすることもあります。
ご相談者は歯科でマウスピースをすすめられたということですが、一度、日本顎関節学会が認定した、顎関節症の治療に実績のある専門医が在籍する医療機関を受診されることをおすすめします。治療が必要な状態か、マウスピースでどれくらいの改善が見込めるか、ほかにすすめられる治療法はあるか、治癒までの期間など、疑問や不安に思うことを相談して、納得したうえで治療を開始するのがよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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