Question

自分の子どもをかわいく思えない

2歳の娘がいます。周りの人たちは今がいちばんかわいい時期だといいますが、どうしてもそう思えません。自分の子どもなのにかわいく思えないのです。子どもがかわいく思えない親なんているのでしょうか? そんな自分が情けなく、嫌で仕方がありません。虐待してしまわないかと毎日不安です。

女性/30代

2023/07/08

Answer

子どもを虐待してしまいそうで何とかしたいけれど衝動を抑制できないかもしれない、という悩みをお聞きすることがしばしばあります。このような自己不信や自己嫌悪といった心情にはいくつかの共通点があるように思います。

そもそも「虐待してしまわないか」という思いには、本当は子どもに優しくしたい、そういう自分でありたいという肯定的な意図や子どもへの愛情が根底にあるものです。そうでなければ、相談自体をしようとはしないはずです。

自分に対してつい、ダメ出しをしてしまったり、信頼できなくなってしまうときには、自分の中にあるさまざまな肯定的な部分や、もともと備わっている善良さなどといった性質に目が向いていないことが大変多いのです。

子どもを虐待してしまいそうだという人に多くみられるのは、自分に厳しすぎることです。母親はこうでなくてはいけないという基準、自分に課した要求が高すぎるといってもよいかもしれません。その結果、期待に満たない自分を厳しく責めてしまうということが生じてしまいがちなのです。

子どもと接するには多くの労力が必要で、遊ぶこと一つをとってみても子育ては疲れるものです。心身のエネルギーが失われて疲れがたまると、愛情をもった家族に対してでさえ、つい怒りが先立ってしまいがちです。イライラは疲労のサインであることがあるので、ちゃんとやろうとしすぎてはいないかをチェックするのがよいでしょう。


イライラしてしまう気持ちは特別なものではなく、子育てをしたことのある人なら誰もが経験する感覚です。むしろ、自分を労い、できていることに目を向けて「よく頑張っている」「できる範囲でいい」などといった愛情ある言葉を投げかけてあげてください。そうすることでも心のエネルギーをためていくことができます。

2歳児は自律的な意志をもち始め、何でも自分でしたがる時期です。イヤイヤやかんしゃくなどで自分を表現しながら、自律性を身につけ始めます。その分「言うことをきかない」ということも起こるので親は大変ですが、子どもの発達からみると、親とは違う自分を作り出していく最初のステップでもあるわけです。


そのため、素直な聞き分けのよい子どもにうまく育てられないと思う必要はありません。親とは違うことをしたがる、親に抵抗することが、むしろ子どもにとって発達に課せられたタスクと捉えてみることも必要です。これまでと違った見方をすることが気持ちを楽にする助けになるでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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