Question

子離れできず、泣いてしまう

高校生の息子と中学生の娘がいます。主人が仕事で忙しいこともあり、子どものことはほとんど私がみてきました。子どもとかかわることが何より楽しく、いつの間にか生きがいに。そろそろ親離れ、子離れをしないとと思ったとたん、急に寂しさで胸がいっぱいになり、涙するようになってしまいました。毎日が憂うつで何も手がつきません。

女性/40代

2021/12/21

Answer

忙しいご主人のぶんまで、お子さんとかかわることが何より楽しいと感じながら過ごしてこられたのですね。お子さんが高校生と中学生という年齢でありながら、子離れしないといけないと思われたのには何かきっかけがあったのでしょうか。


まず親離れ子離れの一般的な時期と意味合いについて整理してみたいと思います。一般的に親離れの時期には二つあるといわれています。一つ目の時期は3歳ごろから小学校低学年くらいの間です。子どもは親の居場所を確かめながらそこを定点にして、興味関心のおもむくままに少しずつ親を離れて自分の行動範囲を広げていきます。


この時期は、子どもの社会的な所属場所である幼稚園、保育園、小学校などに親が送り出す時期とも重なりますので、子どもの成長に親としての喜びを感じながらの「子離れ」になりますね。この段階では、子どもは何か不安なことがあれば親という基地にまた戻ってきます。


二つ目の時期は中学生から大学生くらいの間です。この時期は、親に対して反抗したり一方では甘えたりと揺れ動く不安定な時期です。子どもは子どもなりに自分を確立していこうと四苦八苦する時期です。子どもの激しい感情の揺れに、親の感情も不安定になるものです。


この時期は、親という価値観から子どもが自分なりの価値観を形成していく時期でもあります。大人に成長していく子どもを見届ける「子離れ」は一抹の寂しさを伴いますね。


またこの時期は、母親にとって自分の心身の変化と向き合う更年期の時期とも重なります。更年期の症状は個人差がありますが、ホルモンバランスの変化により、頭痛や腰痛、めまいやほてりなどの身体的な症状だけでなく、疲労倦怠感、判断力や集中力の低下、わけもなく悲しくなったり、気持ちが落ち込んだりという精神的な症状もあるといわれています。症状によって生活に著しい支障が出ている場合は、婦人科や女性専門外来のある医療機関に相談することも助けになると思います。


それから、ご自身がおつらいときだからこそ、できる範囲でご主人に協力してもらうのもよいと思います。家のことやお子さんのことを手伝ってもらうだけでなく、ご自身の気分転換になるような時間をご主人と一緒に過ごすのはいかがでしょうか。


子どもの成長とともにかかわり方を変えることだけでなく、親自身の生活スタイルを変化させ、自分の心身の変化も受け止めて体調を整えることも、この時期に「子離れ」として親が取り組めることかもしれません。無理をなさらずに、専門家の力を借りたり、ご主人や家族にも協力してもらいましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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