抗加齢ドックとサプリメントの利用の前に
63歳の父が「アンチエイジング(抗加齢)ドックを受けてみたい。そのときにオーダーメイドサプリメントのアドバイスも受けたい」と言っています。健康診断で中性脂肪値とLDLコレステロール値が基準値よりも少し高かったことを気にしています。アンチエイジングドックは一般的な人間ドックとどう違うのでしょう? サプリをとる必要性はあるのでしょうか?
女性/30代
2024/01/31
アンチエイジングドックは「(自然な老化ではない)病的なエイジング(加齢)がどこに、どのように起きているのかを調べる方法の1つ」と定義されています(日本抗加齢医学会)。通常の人間ドックと同様、自由診療で行われます。一般的に通常の検査項目に加えて、加齢に伴って低下する筋肉(筋力、筋量など)、骨(骨密度)、血管年齢、神経(認知機能評価など)、ホルモン年齢、肌年齢などが検査項目に加えられています。検査項目は医療機関によって異なります。
検査だけでなく、一人ひとりに合った食事指導や生活指導、サプリメントの指導を行い、お父様が希望されるオーダーメイドサプリメントを提供する医療機関もあります。
医療機関で扱うオーダーメイドサプリは、市販品よりも科学的根拠に基づいて評価されたものであることが多いようです。また、市販品の中には効果・効能を裏づける科学的根拠が乏しいものも多く存在しています。それに比べ、医療機関で扱われるオーダーメイドサプリは一定の評価が得られている可能性が高いといえるでしょう。しかし、薬と違い、法律に基づいて評価されているわけではありません。自己判断で利用するという点は市販品と同様です。
そもそもサプリは必要かというお尋ねですが、健康な人は普通の食事から必要な栄養をとることができます。また、お父様が気にされている脂質代謝改善のために必要なサプリは特にありません。したがって、必要性はないといえます。サプリは特定成分を濃縮し、添加物を加えた加工食品です。普通の食品と異なり、特定の成分を多くとり、さらに添加物を摂取することになるため、分解の際に肝臓に負担がかかる可能性もあります。「薬は副作用が心配だが、サプリは食品だから安心」とはいえず、有効性が期待できる半面、からだへの負担も加わることになります。
お父様がアンチエイジングドックを受けられるのは、ご自分のからだの状態を知って、改善に努められるためによいことだと思います。オーダーメイドサプリについては検査結果を踏まえて、担当医とよく話し合って決められるとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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