Question

水いぼの標準的な治療は?

5歳の息子に発疹が出て小児科で水いぼと診断されました。抗体ができるまで治らないこと、それには個人差があり、3カ月から3年ほどかかると聞き、漢方薬の薏苡仁(よくいにん)や塗り薬を処方されました。しかし発疹が広がったため、皮膚科を受診。ピンセットでいぼを取るか、液体窒素で凍らせて取る方法を提案されました。医師によって治療法が異なり、不安です。どう対処するのがいいでしょうか?

女性/20代

2023/11/07

Answer

伝染性軟属腫(水いぼ)は、伝染性軟属腫ウイルスの感染によって特に子どもに起こります。水いぼは、からだのどこにでもでき、3、4mmから1cm大ほどのやや赤みがある豆粒のような形で、中心には、へそのようなくぼみがみられます。ひっかいたり、潰したりすると、中からチーズのような白いものが出てきます。その中にウイルスがたくさん含まれています。そのため、周囲の皮膚に広がったり、人にうつしたりします。かつてはプールの水で感染するといわれていましたが、現在はその説は否定されています。ウイルスは、肌と肌をくっつけることで感染します。感染を引き起こす行為として、子ども同士で触れ合って遊ぶことや、タオルやビート板、浮き輪の共用などが挙げられます。


水いぼは治療をしなくても自然治癒しますが、1~2年程度かかることが多いとされています。そのため、患児が治療を強く嫌がる場合を除き、治療を行うことが多いようです。治療法として、ピンセットでいぼをつまんで取る(摘出)、液体窒素で凍結させる、殺菌効果のあるポビドンヨード液を塗る、抗ウイルス成分が含まれた軟膏を塗る、水いぼのウイルスに対する抵抗力を高める「薏苡仁」という漢方薬を内服するなどがあります。


ただ、水いぼの治療に関しては、専門家の間でも意見の分かれるところです。

一般的に、小児科医は治療をせず経過観察を、皮膚科医は治療を選択することが多いようです。お子さんが受診した医師は、それぞれの立場から治療法を選択されたのでしょう。何が適切かは、個々の状況によりますが、病変を広げてしまう可能性があること、ほかの子どもに感染させる可能性があること、数が少ないうちに処置を受けるとお子さんの受ける痛みなどの負担が少なく済むといったことから、早い時期にピンセットでつまんで取る、凍結療法を選択することが賢明なのかもしれません。

いずれの治療も、長所と短所があります。お子さん自身の治療への気持ちなども聞きながら、水いぼの様子や全身の状態などを総合的に検討し、医師とよく相談のうえ選択していただければと思います。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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