前立腺がんが再発。治療後、腫瘍マーカーが再上昇
80歳の父の前立腺がんが再発しました。前回は放射線治療で完治。今回はホルモン治療を行い、PSA(前立腺特異抗原)値が2ng/mLまで下がりましたが、その後1年以内に24ng/mLに上がってしまいました。この状況をどう考えたらいいでしょうか?
女性/40代
2023/09/01
再発した前立腺がんの内分泌(ホルモン)療法後、いったん低下したPSA値が再び上昇したお父様の病状についてのご相談ですね。
前立腺はPSAという物質を分泌しており、がんになると血中に増加するため、検査の指標(マーカー)とされています。前立腺がんの治療には、内分泌療法、外科的療法、放射線療法および化学療法があり、がんの進行度や悪性度、年齢、全身の状態などを慎重に考慮したうえで治療法が選択されます。
一般的には、放射線治療後、PSAの最低値から2ng/mL以上の上昇があると再発が疑われ、この場合は、内分泌療法が最も広く行われています。
前立腺がんは男性ホルモンに依存して増えるため、その作用を除去する内分泌療法がよく用いられますが、治療開始後、平均して2~3年でがん細胞が内分泌療法に慣れてしまい、薬の効果が弱くなる傾向が一般的にもいわれています。がん細胞の増殖が抑えられていたものが、再びPSA値が上昇し、画像検査の結果などから再発が認められた場合を、再燃といいます。
再燃した場合は、薬の種類の変更や、化学療法(抗がん剤治療)を取り入れるなど、経過をみながら再度治療を検討します。
がんの経過は、PSA値の推移だけで一般的にご説明することが困難です。治療についても、がん細胞の状態、個々の患者さんの全身状態などに応じて決められるので、主治医から直接、病状の説明を受けられ、また疑問やご要望があれば、遠慮なくお伝えいただくとよいでしょう。ご本人はもちろんのこと、ご家族としても理解と納得のできる治療を選択されることが大切です。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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