健診で「腎石灰化」の結果に。生活上で注意すべきことは?
夫が健康診断で腹部超音波(エコー)検査を受け、腎石灰化がみられるため、1年後に再検査が必要といわれました。普段の食事や生活習慣など、腎臓をいたわるためにどのようなことに気をつけて過ごせばよいでしょうか?
女性/40代
2023/07/28
腎石灰化とは、腎臓の中にカルシウムなどがたまって白くみえる状態を指します。白く見えるものが沈着・集合すると結石になることがあり、これが「尿路結石」です。結石はおもに腎臓や尿管に存在し「腎結石」「尿管結石」と呼ばれています。石灰化や結石の異常があっても、腰痛や側腹部痛、血尿といった自覚症状がなければ定期的に経過をみることが多いようです。一方、これらの自覚症状がある場合は早急に泌尿器科の受診が必要です。
腎臓に結石がある場合でも、一般には自覚症状がないか、ごく軽度であることが多いようです。ただし、結石が腎臓から尿管へ下る際に、結石側の背部から、わき腹にかけて激しい痛みを起こすことがあります。万一このような症状が現れたら、夜間でも迷わず救急病院を受診してください。
尿路結石は一種の生活習慣病ともいわれるため、生活面の見直しが大切です。石灰化があるとのことから、まずは結石予防の目的で取り組んでみましょう。
結石にはさまざまな種類があるものの、いずれの場合も、適度な水分摂取、食生活の工夫、適度な運動の3つは予防や改善に欠かせません。水分をたっぷりと摂取し、尿量を増加させることで結石予防を期待することができます。成人の1日の尿量は2000mL前後が目安とされるため、1日2000mL程度の水分をとりましょう。清涼飲料水、甘味飲料水、コーヒー、紅茶、アルコールなどの過剰摂取はなるべく避け、水道水や、シュウ酸の含有量が少ない麦茶やほうじ茶などを飲むことをおすすめします。
食事の内容や習慣も尿路結石に大きく影響します。1日3食、バランスのよい食事を心がけ、朝食を抜くことや、食べすぎは控えましょう。夕食は就寝の4時間前までに済ませるのが理想的です。結石をつくる物質の尿中濃度は、食後2~4時間で高まるため、夕食後すぐに就寝するのは好ましくありません。また、以下の点にも注意しましょう。
●動物性たんぱく質をとりすぎない(例:魚、肉、卵類など)。
●シュウ酸を多く含む食品をとりすぎない(例:ほうれんそう、たけのこ、チョコレート、紅茶、緑茶など)。
●減塩を心がける……健康な成人男性の塩分摂取量は1日7.5g未満とされている。
●尿酸値を上昇させない……肥満の予防、飲酒は適量を守る、適度な運動などが挙げられる。特にアルコールは尿酸値を上昇させるため、1日あたりビール500mL、ウイスキー60mL以内の適量を守り、週1日以上は休肝日を設けるのが望ましい。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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