帯状疱疹は他人に感染する？

帯状疱疹で治療中とのこと。仕事に復帰するにあたって感染の心配がないかについて回答します。

帯状疱疹の原因となるのは、過去に感染した水痘(みずぼうそう)のウイルスです。水痘が治ったあとに生き残ったウイルスが神経節に潜伏してしまうことがあります。そのウイルスはからだの免疫力で抑え込まれているものの、過労やストレス、加齢や慢性疾患にかかることなどで免疫の働きが低下した際に再び活性化し、神経を攻撃しながら皮膚に到達して発疹ができ、帯状疱疹を引き起こします。

皮膚の症状が出る前から、痛みや違和感などの症状が現れることがあります。発疹から水疱になり、かさぶたができて剥がれ落ち、3週間ほどで症状は消退するといわれています。症状の出方は発疹も痛みの程度も個人差が大きいのですが、早期の治療によって早く治ることが期待できるといわれています。

ご相談者が心配されている他人への感染についてですが、帯状疱疹がそのまま帯状疱疹として感染することはありません。

ただし、水痘ウイルスが原因であるため、水痘にかかったことのない人には感染し、水痘を発症する可能性があります。発疹が出ている間は感染する可能性が高く、特に水疱(水ぶくれ)が潰れたりすると、そこにウイルスが含まれているため、手洗いや手指消毒によって感染を予防するとよいでしょう。

一般的に水痘は成人が発症すると、肺炎などに重症化しやすく、また妊婦さんが発症すると胎児に影響が出る可能性があるため、注意が必要です。そうした人と同居している場合、皮膚症状が治って感染リスクがなくなるまでは、一時的に離れることを検討することもあります。日常でご自身が注意することについては、タオルなど患部のケアに使用するものは、家族のものと分けるとよいでしょう。

過労やストレスを避けて十分に休息や睡眠をとること、栄養バランスを考えた食事をとることも大切です。また、仕事については、主治医と相談しながら安心して治療を続け、無理のない形で進めていくようにしましょう。