ピロリ菌の治療済みでもABC検診でB群判定に
ABC検診の結果がB群判定で、内視鏡検査やピロリ菌の除菌をすすめる記述がありました。除菌治療は2年ほど前に受けたので間違いではと疑っています。再度、内視鏡検査や除菌治療をしたほうがよいのでしょうか?
男性/40代
2023/07/04
ABC検診は「ピロリ菌感染の有無」と、ピロリ菌感染による「胃粘膜の萎縮の程度」の両方を血液で検査し、胃がんのなりやすさ(胃の健康度)をAからDの4群に分けて評価する方法です。「ピロリ菌感染の有無」はピロリ菌抗体検査で、「胃粘膜の萎縮の程度」は胃から分泌されるペプシノゲンという物質の血液中濃度を測定するペプシノゲン検査でわかります。
ABC検診の結果は、胃がんの危険度が極めて低いA群(ピロリ菌の感染がなく、胃粘膜が健康な状態)の人から、B・C・D群(ピロリ菌に感染、またはかつて感染していて、胃粘膜に萎縮のある状態)の人まで、胃がんのリスクが4つに分類され、結果に応じて、ピロリ菌の除菌や胃がんの存在を確かめる精密検査(内視鏡検査など)などを受けることが必要になります。
一般的には、胃がんになるリスクが高い人たちを絞り込み、除菌や内視鏡検査などの画像診断を受けてもらうためのものであり、除菌治療を行った人のABC検診に関しては、日本ヘリコバクター学会から「胃がんのリスクを調べるABC検診は、除菌歴のある人には適切な方法とは位置づけられていない」との注意喚起が出されています。
B群判定は、ピロリ菌が陽性、ペプシノゲン値が陰性であり、ピロリ菌には感染しているが胃粘膜の萎縮が進んでいない状態です。一般的には胃内視鏡検査がすすめられますが、ピロリ菌感染については過去の感染も含まれます。これは、除菌治療が成功しても抗体価が下がるまでには1年以上かかる場合が多いためといわれています。
その他、除菌成功後に再感染する確率は、日本の成人においては、年間1%未満と報告されています。
ご相談者におかれては、すでに治療済みとのことで、今回の検査結果をどう判断するかは、治療を受けた病院、または検査を行った医療機関から説明を受けていただくことをおすすめします。内視鏡検査やピロリ菌治療を行っていれば、一般内科でも問題ありませんが、通常は消化器内科に相談されることをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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