Question

内痔核は手術が必要?

健康診断で「便潜血あり」と診断され、大腸内視鏡検査を受けたところ、原因は痔と判定されました。改めて肛門科で検査すると、内痔核があり、常に外部に脱出しているので手術が必要といれました。排便時に毎回出血がみられるわけではなく、強い痛みもないので手術すべきか悩んでいます。常時脱出した内痔核は手術が必要なのでしょうか?

男性/50代

2023/06/24

Answer

肛門科を受診した際、内痔核があり、常時脱出しているため、手術をすすめられたが迷っているとのこと。

痔核は痔のなかでもっとも多いタイプで、一般には「いぼ痔」とも呼ばれます。お尻の血行が悪くなって血管の一部がこぶ状になったもので、初期は出血が起こります。痔核は、肛門の周辺の毛細血管がうっ血することで起こり、排便時の負担や老化、便秘や出産、スポーツによるいきみなども、悪化の原因になるといわれています。

歯状線より上(直腸)にできたものを内痔核、下(肛門)にできたものを外痔核と呼びます。痔のなかでもっとも多い内痔核は、進行度によりⅠ度~Ⅳ度に分類されます。


●Ⅰ度:クッション部がふくらんで痔核ができます。排便時のいきみによって負担がかかり、出血するようになります。歯状線の上にできるので、痛みを感じないのに比較的多量の出血があるのが特徴です。

●Ⅱ度:痔核を支える組織が弱くなり支え切れなくなり、排便したときに痔核が肛門から飛び出します。痛みはありませんが、排便時に出血することも。飛び出た痔核は自然にもとに戻ります。

●Ⅲ度:排便時に痔核が肛門から飛び出し、指で押し込まないと肛門内に戻らなくなります。運動をしたり、重いものを持ったり、おなかに力を入れたはずみで、痔核が外に飛び出すようになります。

●Ⅳ度:痔核を指で押し込んでも戻らず、いつも外に出たままになります。刺激で粘膜の分泌液が増えて下着が汚れたり、肛門の周りがかぶれてかゆみを起こしたりします。出血はおさまることもありますが、重症度としては最終段階です。


Ⅰ度やⅡ度の軽度の痔核なら、薬の使用と生活習慣の改善で、症状を和らげることもできますが、保存療法を続けても痔核からの出血が改善されない場合や、痔核の脱出をくり返す場合には外科的療法が必要になります。


ご相談者の場合は常時脱出した内痔核とのことで、Ⅳ度であり、Ⅲ度・Ⅳ度の場合も保存的治療で出血や痛みはかなり改善できますが、脱出は治らないので手術が望ましいといわれています。痔核の大きさや位置、重症度など、痔の症状はそれぞれ人により違うので、どの治療法を選択するかは、症状に合わせて、主治医とよく相談して決めることが大切です。外科的療法も、より負担の少ない新しい治療法も開発されています。主治医とよく相談して、納得のいく方法を選びましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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