Question

乳がん検診の再検査、細胞診を受けたくない

乳がん検診の乳房超音波検査で「右乳房上部腫瘤疑い5~10㎜」と診断され、精密検査を受けるようにすすめられました。自分で調べたところ、精密検査では「細胞診」や「組織診」を行うこともあるとされ、恐怖心を抱いています。もともと注射すら怖く、採血時は横になって注射を受けるくらいです。組織をとることなく検査ができる方法はないのでしょうか?

女性/20代

2023/02/04

Answer

わが国で、女性のがんでもっとも多いのが乳がんです。乳がん検診は乳がんの早期発見を目的としています。たとえ乳がんにかかったとしても、早期発見によって適切な治療を受けると治る可能性が高いことから、乳がん検診の有用性が認められています。


一般的に検診や人間ドッグの乳がんの検査は、視・触診のほかに乳房超音波(エコー)検査とマンモグラフィ検査が行われます。超音波検査は触診ではわかりにくい数㎜のしこりを見つけることができます。ただ、石灰化したがんは見つけにくいのが弱点です。痛みはなく、放射線被曝もありません。マンモグラフィは、触診ではわかりにくいしこりや石灰化したがんを見つけることも可能です。ただ、乳腺が発達している乳房(高濃度乳腺)では、しこりが映りにくいという弱点があります。X線撮影なので放射線被曝はありますが、被曝量は非常に少ないものです。


それぞれの特性を組み合わせることでがんの発見を確実にすることを目的とします。しかし、乳がん検診で発見されたしこりが良性か悪性かの判断がつきにくい場合や、乳がんが疑われる場合には、確定診断として、腫瘤に針を刺して細胞を吸い取る「細胞診」や、より太い針で、細胞を塊でとる「組織診」が不可欠となります。精密検査を受ける場合は、乳腺外科やブレストセンターを受診します。


ご相談者は注射をしなくてよい検査法を希望されていますが、残念ながら現時点ではほかの手法はありません。検査に対しての恐怖心を払拭することは難しいことと思いますが、次のようなことを実践してみてください。

●検査について知る

どんなことをされるのか、どんな感覚に襲われるのか、知らないことで恐れは増大します。どのような検査で痛みはどれくらい、どれくらいの時間がかかるか、検査後の状態など、知りたいことを明らかにして臨みましょう。

●自分にとっての必要性を把握する

検査を受けるとどうなるか、受けないとどうなるかなど、自分にとってのメリット・デメリットをはっきりさせましょう。

●感じている不安や恐怖などを率直に伝える

苦手としていることや不安を感じていることを医師や看護師、医療スタッフに率直に伝えてください。かかわる人との信頼感、どのように支えてもらえるのかを知ることで気持ちに変化が起こることがあります。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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