Question

抗てんかん薬をやめるタイミングと長期服用の副作用

てんかんのため20年以上薬物治療を続けていますが、いつまで薬を飲まなければいけないのかとモヤモヤしています。薬で発作が抑えられていれば治ったと判断してもよいのでしょうか? 一度服薬をやめて発作が起きるか試す方法もあると聞きますが、発作の可能性を考えるとなかなか勇気が出ません。今のところは問題ないものの、抗てんかん薬を長年服用することで目に見えない副作用があるのではと心配です。

女性/50代

2023/01/14

Answer

てんかんとは、大脳の神経細胞の規則正しいリズム活動が突然崩れ、激しい電気的な乱れが生じることで、てんかん発作がくり返し起こる疾患を指します。原因や発作症状はさまざまですが、治療は抗てんかん薬を用いた薬物治療が主流です。脳の神経細

胞の電気的な興奮を抑え、興奮が他の神経細胞に伝わらないようにすることで発作症状を抑制する薬です。思春期以降に発症した場合は断薬によって再発しやすいものもあり、辛抱強く服薬を続ける必要があるとされています。どのような薬剤を選択するかについては、医師の診断に基づき選択されます。


主治医のもとで治療を行う際は、脳波の検査などを定期的に行って経過を観察します。薬を飲んでいる場合は血液検査と尿検査を行い、薬の血中濃度や副作用の症状が出ていないかを確認していると思われます。主治医の指示のもとで定期的かつ慎重に経過をみて、再発作を予防することが重要です。


抗てんかん薬に限らず、薬には有効性がある反面、好ましくない副作用もあります。種類によって異なるものの、抗てんかん薬を服用すると発疹や発熱などのアレルギー反応のほか、薬の量が多すぎる場合には眠気、ふらつきなどが認められます。また、一部には肝機能の低下、血液中の白血球減少などの症状がみられることも。いずれにせよ、抗てんかん薬は長期の服用が必要とされるため、開始する前に副作用について医師の説明を受け、気になる症状がみられるときには早めに相談することが大切です。


一般的にてんかんは、睡眠不足、飲酒、発熱性の疾患、疲労時などに誘発されやすく、寝起きに起こりやすい傾向があります。このためなるべく規則正しい生活を心がけつつも、夜間や疲れがあるときには家族と同じ部屋で寝起きするとよいでしょう。

また、うまく発作を抑制できていても、薬を飲み忘れると突然発作が起きる可能性があるため注意が必要です。自己判断で断薬すると、大きな発作の再発にもつながりかねません。一般的に2年以上発作がない場合には減薬の目安となるものの、てんかんの症状には個人差があり、自己判断せず主治医の指示に従いましょう。薬をやめるタイミングや副作用についても、受診時に相談してみるとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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