Question

年々低下する腎機能。気をつけることは?

毎年の健康診断で、年々少しずつ腎機能の値(クレアチニン、eGFR)が悪くなっています。健診の結果票には「腎臓の機能低下が疑われ、軽度腎機能障害に対し、水分を十分とり、6カ月後に再検査を」とのコメントが。ほかに日常生活で気をつける点があれば教えてください。

男性/50代

2022/12/26

Answer

健康診断で、徐々に腎機能の数値が悪くなっているとのこと。腎臓の障害や機能低下が慢性的に続く状態を慢性腎臓病(CKD)と呼びます。ほとんどの場合、自覚症状がなく、発病に気づきにくいため、健診結果で疑われる場合には、早めの受診をおすすします。


一般的に、腎機能を調べる検査には、尿素窒素、クレアチニン、eGFRなどがあります。

尿素窒素は、体内で使われたたんぱく質の老廃物です。数値が高くなる時は腎臓の機能障害のほか、食事のたんぱく質量、下痢や嘔吐、発熱、ハードな運動の影響を受けて高くなる場合があります。

血清クレアチニンは、筋肉がエネルギーを消費したときに生成される老廃物です。血液中を流れて腎臓からそのほとんどは尿として排出されます。血液中の数値が高い場合は、腎機能が低下していることを示します。

eGFR(推算糸球体ろ過値)は腎臓が1分間にどれくらいの血液をろ過して尿を作れるかを示した推定値で、血清クレアチニン値と年齢、性別から、おおよその糸球体ろ過値を表した数値です。数値が低いほど腎機能が低下していることを示します。


慢性腎臓病(CKD)は、尿たんぱくが「+」以上、eGFRが60mL/分未満のいずれかが、3カ月以上続く場合に診断されるといわれています。再検査、または受診目安と考えてよいでしょう。慢性腎臓病を引き起こす原因には、腎臓自体の病気(慢性腎炎など)や生活習慣病(高血圧・糖尿病など全身の血管を障害する病気がある)や加齢(加齢とともに腎臓の働きは低下する)などがあります。また、慢性腎臓病を悪化させる要因には、脂質異常症・高尿酸血症などの生活習慣病や喫煙習慣などがあります。


ご相談者の場合、検査結果が年々悪化傾向を示すとのことで、6カ月を待たずに健診結果票を持参して内科、またはかかりつけ医(内科)を受診することをおすすめします。経過をみながら必要に応じて腎臓専門医と連携を取ってもらうこともできると思います。


続いて、腎臓の働きを保つための一般的な生活上の留意点を下記に掲載しました。実際には、受診の際に医師に相談して留意点をご確認ください。

●節煙または禁煙を心がける

●アルコールはたんぱく質の吸収をよくするため控えめにする

●過労に気をつけて、睡眠をしっかりとり、規則正しい生活を心がける

●減塩を心がける。練り製品などには塩分が含まれており、さらに味をつけないように気をつける

●血圧を定期的に測るようにする

●かぜなどの感染症に注意する

●ストレスと上手に付き合うようにする

●冷えに注意する

●水分は過不足なくとる

●食事は、バランスよく食べることが大切

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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