明け方、胸の下辺りを締めつけられるような痛み

胸の下辺りの締めつけられるような痛みで目が覚め、その後も重い違和感があるのですね。就寝中に起こった急な症状であり、ご不安に感じているのではないかと思います。症状がみられたのは「胸の少し下辺り」ということで、一般的にみぞおち(心窩部)と呼ばれる部位かと思われます。ここでは、みぞおちの辺りに痛みが生じる原因をお伝えしながら、受診の必要性や受診先についてご説明します。

みぞおちの痛みは、さまざまな要因で起こりますが、おもに、みぞおち付近にある臓器の問題で起こることが多いといわれています。まず、食事との関連で起こるものとして、胃や十二指腸の疾患があり、一般的には、早朝や空腹時に起こるみぞおちの痛みは十二指腸潰瘍などが、また食後に強くなる場合は胃潰瘍などが考えられます。また、吐き気・嘔吐・下痢などの症状を伴う場合は感染性の胃腸炎などが、特に随伴症状がなく、痛みが軽減していくような場合は胃腸の働きの問題や食べ過ぎによる胃酸過多などが考えられます。

ほかにも、胆のうや膵臓の病気との関連や、虫垂炎の初期症状としてみぞおちの痛みが現れることもあります。この場合は時間の経過とともに痛みが強くなり、吐き気や嘔吐、発熱を伴うことが多いです。また、動悸や息切れなどの症状を伴う場合は、心臓疾患(狭心症など)も考えられます。

相談いただいたように、随伴症状はなく、痛みが軽減していても重い違和感が残っている場合は、できれば早めに受診なさることが、一般的にはすすめられます。受診先は、お近くの内科、もしくは消化器科で診ていただくとよいでしょう。

受診までの対処法としては、カフェインや香辛料などの刺激物を控え、消化のよいものを少なめに召し上がっていただくとよいと思います。