変形性膝関節症にはどのような治療法がある?
父が高齢による変形性膝関節症と診断され、理学療法(おもにマッサージ)を続けています。少し歩くとすねやひざ周りの筋が痛み長時間の歩行ができず、足先のしびれもあります。しかし、医師に伝えても、治療や手技は変わらず効果が実感できないようです。高齢者の変形性膝関節症はどういった点に気をつけ、ほかにどのような治療法があるでしょうか? 本人はもう少し歩けるようになりたいようです。
女性/50代
2022/12/12
変形性膝関節症について簡単にご説明します。おもな原因は関節軟骨の老化によることが多く、加齢により関節軟骨の弾力性がなくなり、関節軟骨のすり減り、関節の変形などが現れます。 肥満によるものや、骨折・半月板損傷などのあとに発症する場合もあります。
おもな症状はひざの痛み、水がたまるなどです。初期では立ち上がり、歩行など動作の開始時に痛みます。病状が進むと痛みが増し、正座や階段の昇降が困難となり、さらに進行すると安静時にも痛むようになります。変形したひざが伸びず、歩行困難にもなります。
軽度の場合の治療は、痛み止めの内服薬や外用薬の使用、膝関節内のヒアルロン酸の注射などです。そのほか、太ももの筋肉を鍛え、関節の動きを改善するなど運動器リハビリテーション、ひざを温めるなどの治療も行います。これらは保存的治療といわれ、まず最初に行う治療法です。
日常生活では、太ももの前の筋肉を鍛える、正座を避ける、肥満であれば減量する、ひざを冷やさない、温めて血行をよくする、洋式トイレを使用するなどが注意点となり、極力守るようにしましょう。保存療法と注意点を守っても症状が軽快しない場合は、人工膝関節置換術などの手術治療が検討されます。
変形性膝関節症は加齢とともに慢性に進む病気なので、一般的に保存療法を行いながら、痛みの少ないときは主治医の指示の範囲で太ももを鍛える運動を行うことがすすめられます。また、長時間の歩行ができないこと、しびれ症状もあることについては、腰などからだのほかの状態について変化がないか、整形外科医師へ再度相談するといいでしょう。
変形性膝関節症は患者さんが多い疾患で、整形外科専門医であれば診療可能な病気です。年齢、症状などから、できるだけ自宅近くの医療機関を選ぶことで少ない負担で治療に臨めるでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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