総コレステロール、LDLコレステロールを下げるには？

血中に含まれる脂質の異常は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などの病気をひきおこす可能性があるため、早めに見つけて予防や治療をすることが大切です。総コレステロールは、血液に流れる脂肪の中のコレステロール量を示すもので、特にHDLコレステロールではなく、LDLコレステロールが多いために高くなっている場合は注意が必要です。LDLコレステロールは、数値が180mg/dL以上の場合は薬物療法をすすめられることがあります。

日常生活でLDLコレステロールを減らすためには、食事と運動のよい習慣づくりが有効です。動物性脂肪のとりすぎに注意し、食物繊維や青魚などを摂取することが推奨されています。具体的には、脂身の多い肉類、乳製品、卵、ヤシ油やココナッツ油など一部の植物油脂に多く含まれる飽和脂肪酸を制限し、大豆油、ゴマ油、紅花油、サラダ油などの植物油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸（リノール酸が主体）を多めにとり、その比率が1対1から1対1.5程度にするとよいといわれています。魚類に多く含まれる多価不飽和脂肪酸のEPA（エイコサペンタエン酸）やDHA（ドコサヘキサエン酸）、またエゴマ油などに含まれるα-リノレン酸、オリーブ油などに多く含まれるオレイン酸も、LDLコレステロールを増やさないことがわかっています。また、食物繊維を含む大豆製品、野菜、海藻類、精製度の低い穀類、きのこ、いも類などは十分にとるとよいでしょう。

運動では特に有酸素運動(ランニング、ジョギング、水中歩行など)が有効です。血液中の余分なコレステロールを回収するHDLコレステロールが上昇するといわれているので、無理なく続けられるように工夫しましょう。ただし、女性の場合は閉経とともにLDLコレステロール値が上昇する傾向にあり、必ずしも生活習慣に要因があるとも限りません。過度な食事制限や運動は健康上、逆効果になることもあるので、あらかじめ医師と相談してから適切に行うことをおすすめします。