Question

生活改善でHbA1cが下がらない場合は投薬治療が必要?

健康診断の結果、HbA1cが基準値より高く、医師から投薬治療をすすめられました。2年前に糖負荷テストを行った際、やはりインスリンの出方が悪く、食事制限やウォーキングなどで体重を5kgほど落としましたが、HbA1cの数値は下がりませんでした。これ以上自分の努力で下げることは難しいと感じています。そこで聞きたいのは、投薬治療を行うべきか、どんな薬が適切か、医師からすすめられている「速効性インスリン分泌促進薬」「α-グルコシダーゼ阻害薬」の服用で低血糖などを起こさないか、一度始めたら一生服用が必要か、です。

男性/50代

2022/11/22

Answer

最近の健康診断でHbA1cの値が高く、今回医師から薬物療法をすすめられたとのこと。

糖尿病の治療の目的は、高血糖を改善し、高血糖(血管が砂糖漬けになり血管が傷む)による各臓器の合併症(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、末梢神経症障害など)を予防するためです。糖尿病の治療は、血糖をコントロールし、よい状態を維持することです。よい状態を維持する方法は食事療法と運動療法が基本で、食事療法と運動療法だけではコントロールがうまくできないときに薬物療法を追加します。状態が改善されれば、薬物療法は不要になるかもしれません。


糖尿病の治療方法で、どの薬物療法をいつから始めるかは、患者さんの糖尿病の病状、合併症の進行具合、全身状態など、さまざまな要因を総合して決められます。

今回医師からすすめられている「速効性インスリン分泌促進薬」「α-グルコシダーゼ阻害薬」はともに単独投与では低血糖の可能性は低い薬物です。


経口血糖降下薬は、膵臓からのインスリン分泌を増やす、細胞のインスリン感受性を高めるなどで血糖値を下げます。膵臓の負担を少なくすることは、薬による効果も大切ですが、食事の工夫で血糖の上昇を適切に保つ、運動によってインスリン分泌を促す、このような点も重視されます。

ご相談者は生活改善も継続され、熱心に管理に努めている様子が伺えました。そのうえでからだの状態から薬の効果を追加することで、より状態をよくすることを医師は考えているのではないでしょうか。


糖質制限も行きすぎると血糖管理にマイナスに影響することも懸念されるので、医師へ食事内容を具体的に伝え、改めて食事療法の指示を受けるとよいと思います。今回の質問にある、低血糖のリスクの頻度や、薬の継続の必要性など、治療の中で生じる疑問や不安に思うこと、治療を受けるメリットやリスクなどについても、ご自身の希望を伝えながら、よく主治医と相談することをおすすめします。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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