Question

腎臓結石の治療に水分摂取以外の提案がない

腹部のCT検査の結果、腎臓に石があり、落ちるときに痛みが出るかもしれないとのこと。大きさは聞いていませんが、特に治療法はなく、痛みが出たら痛み止めを飲むことと、水分を多めにとること程度しかいわれていません。本当に治療法はないのでしょうか? 水分をとる目安はどの程度でしょうか? 水分摂取のほかに行ったほうがよいこと、逆に禁止事項などあれば教えてください。

男性/30代

2022/11/21

Answer

腹部CT検査で腎臓結石との診断を受けたのですね。今は痛みがなく、痛むときは対症療法を行い、水分を多くとるように説明を受けたとのこと。医師から鎮痛と水分摂取以外の治療の提案がなかった様子で、具体的な水分摂取量の指示もないので、治療の疑問を感じたのですね。その状況で日々の体調管理を行うことは負担を感じることでしょう。


尿の通り道(腎臓、尿管、膀胱、尿道)にできる石は尿路結石といい、腎臓にできた結石は腎結石といいます。

結石の大きさが直径5㎜以下の場合には、尿と一緒に自然に排出(排石)することが可能なので、保存的に経過をみていくことが多いです。これを保存的治療といい、早く結石が流れ出るように、水分を十分に摂取します。結石が尿路を通る際の痛みがないときは、縄跳びなどでからだを動かす運動を行ったり、なるべく歩くよう心がけます。

10㎜以上の結石の場合には、自然排出(排石)は困難なので、手術により結石を取り出したり、細かく砕く(体外衝撃波砕石術)などの治療を検討します。体外衝撃波砕石術は患者さんの状態に応じて治療が可能か、慎重に適応を検討します。


腎臓にある結石が尿管などへ下りてくる際に、結石のある側の背部やわき腹に激しい痛みの発作を起こすことがあります。この発作を我慢することは困難なので、このような症状が現れた場合は、夜間でも救急病院を受診することをおすすめします。


食事の内容や習慣が、尿路結石に大きく関係していることは明らかです。1日3食、バランスのよい食事をとることを心がけ、欠食、食べ過ぎを避けます。夕食は就寝の4時間前までに終わらせましょう。結石を作る物質の尿中濃度は、食後2~4時間に高くなるので夕食後すぐに就寝することは避けます。これを守ったうえで、以下の食事内容に注意します。

●動物性たんぱく質をとりすぎない……尿のpHが酸性に傾き、結石を誘発する要因となる

●シュウ酸(ほうれん草、たけのこ、チョコレート、コーヒー、紅茶、緑茶などは多く含む)をとりすぎない……シュウ酸カルシウム結石の形成に関与する

●塩分をとり過ぎない……食塩の過剰摂取はカルシウム結石の危険因子になる

●清涼飲料水や甘いものをとり過ぎない……糖分は尿路結石形成を促進する

●プリン体を多く含む食品、アルコールの過剰摂取は控える……尿酸値が高くなると、尿中の尿酸が増え、酸性尿に傾くため、結石の原因となる

●食事以外に1日2000mL前後水分をとる……結石をできにくくし、自然排石を促す

●カルシウム(Ca)は1日600~800mgほど摂取する……Caは腸管内でシュウ酸と結合し、便中に排泄させる


まずは結石の大きさを確認し、具体的な治療方針について医師と相談するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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