高齢の母に振り回される。できることはやらせてあげたいが……

お母さまが、日中にご自分なりに家事をされているのに対し、ご家族は予定が崩れて嫌な思いをされたり、ご相談者も疲弊して悩んでいらっしゃるのですね。お仕事と、お母さまのサポートをしながらの毎日には、はたからではわからないご苦労がおありかとお察しします。

ご高齢になられても家事を進んでされるのは、それがその方の生活の歴史であり習慣であるということでもあります。また、ご本人からすると、できることはやって家族の負担を少しでも減らしてあげようという、あくまでも手伝っている気持ちでいることもあります。また、高齢になると、順応性が低くなるため、習慣を変えたり新しいことに慣れたりすることがとても苦手になります。お母さまの場合も、ご本人が「よいことをしているのになぜ指摘をされるのか」と捉えると、不機嫌になるということがあるかもしれません。

ご相談者がお母さまを大事に思い、ご本人の活動を尊重している様子が伝わってきました。ご相談にある「できることはやらせてあげたい」というのは、考え方としてとても大切なことだと思います。思い描いたように家事ができていなくても、いったんは「やってくれてありがとう」と声をかけ「でも、今日は食事はいらないからね」と伝え、お母さまが忘れないように、張り紙をしてもよいかもしれません。また、ずっとご自宅にいて家事をしなくても済むように、デイサービスのように出向いて受ける介護サービスがあるか相談されるのもよいでしょう。

今後については、ぜひお困りの状況について、地元の地域包括支援センターやご担当がいらっしゃれば、担当のケアマネジャーさんへ相談していただきたいと思います。さまざまな高齢の方や家族と接しているので、お母さまの様子に合わせた助言をしていただけると思います。よくご相談なさり、ご自身、ご家族だけで抱え込まないようになさってください。

仕事をしながら、介護サービスの活用や相談をしていくには時間をやりくりしながらのご負担もあると思います。すでにご存知かもしれませんが、仕事と介護の両立を支援する制度を設けている会社もあるので、そういった情報を入手しておくと安心かと思います。