健診の脂質関連の結果で「LH比」が3以上。自分でできる改善策は?
健康診断結果で「LH比が3を超えているので気をつけて」といわれました。LH比とはどういう数値でしょうか? 受診の指示は受けていませんが、LH比を下げるために気をつけるべきことを教えてください。
男性/40代
2022/11/05
健康診断を受け、脂質に関する検査結果が気になっているのですね。LH比とは、血液中に含まれているLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値を比較した数値です。LH比を計算することで、血管の状態や動脈硬化リスクを知るための手がかりが得られます。
●LH比=LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値
LH比が1.5未満なら血管内はきれいな状態といえますが、2.0以上になると動脈硬化の危険性が高まるため、海外では積極的に1.5未満を目指す動きがあります。LH比が3以上の場合、食事や運動面を見直して血中脂質を改善していく必要があります。まずは、体重が標準体重[身長(m)×身長(m)×22]の範囲であれば、現状維持が大切です。もし多めなら、できるだけ標準に近づけましょう。
食事は食べ過ぎに気をつけながら1日3食を規則正しくとり、間食は控えます。主食、主菜、副菜がそろった食事にするとバランスが整います。内容としては脂質のとり方に注意します。動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸やコレステロール、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸の過剰摂取はLDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らすことがわかっています。
飽和脂肪酸やコレステロールの過剰摂取を控えるためにも肉は脂身の少ない部位を選び、とりすぎに気をつけること。肉の代わりに、魚や大豆製品を積極的に取り入れましょう。また、トランス脂肪酸を多く含む菓子類や加工食品はできるだけ控えます。大豆製品、野菜、海藻類、きのこなどLDLコレステロールを減らす水溶性食物繊維を多く含む食品を積極的に食べましょう。
動脈硬化を予防するために、野菜や果物などの抗酸化食品をとることも大切です。緑黄色野菜は抗酸化作用の強いβカロテンやビタミンEを、淡色野菜はビタミンCを多く含むため、さまざまな野菜をバランスよく取り入れることが大切です。ただ、果物の食べ過ぎは体重や中性脂肪の増加につながるため1日100~200gを目安に、旬の果物を中心にとるとよいでしょう。
また、適度な運動も欠かせません。運動によりHDLコレステロールの増加が期待できます。ウォーキングなどの有酸素運動を毎日30分以上行うのが理想的ではあるものの、週に数回でも効果があります。時間がとれない場合は生活のなかでこまめに動いたり、簡単にできる体操を取り入れましょう。ストレスや疲れで血中脂質の合成が促されるともいわれるため、気分転換や適度な休養も大切です。
医療機関から受診の指示がないのは「再検査の必要はなく、経過観察でよい」と判断されたためと考えます。こうした場合は食事や運動を中心に健康管理を行い、次の健康診断で数値の変化を確認する流れになります。職場の産業医、保健師などの健康管理スタッフとも相談しながらよく経過をみていきましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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