心電図の健診結果「R波の増高不良」とは?
健康診断の心電図の結果が「R波の増高不良 時計回転」でした。どのような意味ですか?
女性/40代
2022/08/06
私たちの心臓は、決まった場所から通常1分間に60~100回の電気刺激を出していて、その刺激が決まった経路で心臓全体に伝わり、心臓は規則正しく動いています。心電図検査では、心臓の電気の伝わり方を波形で記録し、正常とは異なる異常な伝わり方を判別することで、心臓の病気など、心臓に関わるさまざまな問題を特定するための情報を得ることができます。
「R波増高不良」とは、心電図の波形上、R波という部位の電力が小さい状態のことです。その多くは、心電図を測定したときの体位や体型などが測定方法に影響し、R波の部分が変化したことで起こります。そのため、要精密検査であれば、心臓の専門科である循環器科(循環器内科)の受診をおすすめしますが、おそらく問題はないと診断される場合がほとんどです。
このような状態は、左心室肥大のこともありますが、健常者(高身長・やせ型の若い男性が多い)にもみられます。
この所見のみで、要精密検査などの具体的な指示もないのであれば「心配はいらないが、一応所見としてみられるので通知しておく」という意味合いと考えられます。
次に「時計(方向)回転」について説明します。通常、心臓はまっすぐに位置するのではなく、軸が右上から左下に向かった形になっていますが「時計(方向)回転」は、軸を中心に心臓を心尖部(心臓の左前方にある先端部分)から見て時計の回る方向に心臓自体がやや回転していることをいいます。
心臓に問題がなくても、やせている人などによくみられ、この変化だけでは病気というわけではありません。また、しばしば心電図の検査や記録方法などの誤りで発生することもあります。
今回の心電図検査の所見で要精密検査などの指示がないなら、次回の健康診断での経過をみてはいかがでしょうか。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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