暑いときに効果的な水分補給のタイミングと飲み物は?
暑くなると、ふだんより多く水分を失いますが、どのタイミングでの水分補給がよいでしょうか? また、水分補給に適した飲み物は何でしょうか?
男性/40代
2022/08/03
成人(高齢者を含む)の場合、体の水分は5~6割ほどです。食事も含めて、1日に少なくとも2.2~2.8Lの水分を補給する必要があるといわれます。食事の水分量は約1Lで、脱水症や熱中症の予防には、規則正しい食生活が非常に重要です。欠食は水分摂取量が減ることになるので、1日3食の食事を欠かさないようにします。
高齢者は、体内の水分量が若年者より2割ほど少なく、脱水を起こしやすい特徴があります。よりこまめな水分補給が必要で、飲み物だけで水分を補うだけでなく、汁物などの水分量の多い食事を心がけることも大切です。
高温で湿度の高い夏は、こまめな水分補給が欠かせません。タイミングとしては、のどが渇く前に行うことが基本です。食事のときとその前後、1日8回程度を目安に、こまめな水分補給を心がけます。
日常の水分補給には、水や無糖のお茶が適しています。水分の温度は、5~15℃程度が吸収がよいといわれ、低温のためからだを冷やす効果もあります。アルコールは利尿作用があるので、飲んだ量以上に尿が排泄されるため、かえって脱水を招く心配があり、すすめられません。
運動時は、体温調節のために発汗が多くなるので、水分補給は欠かせません。また、暑い時期は、熱中症予防のためにも、十分にとる必要があります。
長時間にわたる運動で、大量の汗をかく場合は、汗のほかにミネラルも失われるので、ミネラルの補給も必要です。スポーツドリンクは、運動で失われやすいカリウムやナトリウム、マグネシウムなどのミネラルとエネルギー源の糖分、疲労回復を促すクエン酸、筋肉の回復を助けるアミノ酸などを含みます。そのため、運動や炎天下の労働などで、下着を替えたくなるほど大量に発汗したときなどには適しています。
スポーツドリンクは商品により差がありますが、一般的なものでは500mLのペットボトルでエネルギー量が約100kcal、糖分は25g、塩分は0.5gほど含まれます。スポーツドリンクの常用は糖分や塩分、エネルギーの過剰摂取となる可能性があり、糖尿病や高血圧などの人は、病状を悪化させる心配もあるので注意しましょう。
ウォーキングなどの激しくない運動を短時間に行うのであれば、無糖のお茶やミネラルウォーターで水分補給するなど、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
脱水症や熱中症になった場合は、回復を促すため、すみやかに経口補水液を利用します。経口補水液とは、からだへの水分の吸収を高めるよう調整した飲み物で、家庭でもつくることができます。手順は以下のとおりです。
●水……1リットル
●塩……3g(小さじ1/2)
●砂糖……40g(大さじ2と1/2)
上記の材料をボトルなどに入れてよく混ぜます。つくるときは清潔を心がけ、必ず当日中に飲み切りましょう。
なお、家庭でつくる経口補水液は、市販品と比べると、ブドウ糖ではなく砂糖を使用していることや、カリウムやマグネシウムなどの電解質をほとんど含まないため、吸収率は市販品の経口補水液と比べると劣ります。
脱水症や熱中症の心配があるときで、自力で水分摂取ができないとき、経口補水液などの水分を摂取しても症状が回復しないときは、すみやかに医療機関を受診しましょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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