黄斑前膜で手術を行うタイミングは?
4年ほど前、眼科で「黄斑前膜」と診断されました。当時は治療の必要はないといわれ、半年ごとに検査を受け、目薬を処方されています。どのような状態になると手術になるのでしょうか?
女性/50代
2022/07/06
黄斑前膜とは、眼の網膜の中央部にあって、視力に関わる重要な部位である黄斑部に、薄い膜が張る状態をいいます(黄斑上膜ということも)。黄斑前膜は50歳以上から増加する、加齢が原因の良性疾患です。40歳以上のおよそ20人に1人がなるといわれており、なかでも50~70 代の女性に多い傾向があります。黄斑部の表面に膜ができるため、膜が収縮し、しわができ、ゆっくりと悪化していくため、視力が良好で日常生活に支障がなければ、急いで手術を受ける必要はないといわれます。
一方で、膜が古くなり、硬くなると、手術時に膜がとりにくくなることもあります。また、黄斑前膜は長期間放置すると厚くなり、黄斑部しわも悪化するので、膜が厚くなってくると線がゆがんで見え、左右の目で字の大きさが違って見えるなどの自覚症状が現れるようになります。視力も低下するので、見え方の変化や視力の低下など、状態が悪化する前に、膜を黄斑部からはがす手術をする必要があります。
手術は、目の白目に小さい穴を数カ所開け、そこから非常に細い手術器械を目の中に直接入れる「硝子体手術」を行います。最近では手術器械の直径が0.5~0.7㎜と小さくなり、縫合がいらない手術も可能になっています。手術時間や入院日数も短縮され、術後の痛みや異物感もほとんどないようです。手術後は6カ月から1年かけて視力が徐々に改善し、落ち着いていきますが、ゆがみが残ることがあるようです。
黄斑前膜と診断されていたら、見え方など症状をできるだけ具体的に主治医に伝え、手術の時期や、手術のメリットとデメリットなどについて相談するとよいでしょう。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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