Question

機能性ディスペプシアの日常生活での注意点は?

長年、胃の痛みがあり、機能性ディスペプシアの診断を受けました。日常生活での注意点を教えてください。

男性/60代

2022/06/28

Answer

機能性ディスペプシアとは、胃の痛みや胃もたれなど不快な症状が慢性的につづいているにもかかわらず、内視鏡検査などで調べても胃潰瘍や胃がんなどのような、症状の原因となる異常が見つからない病気です。機能性ディスペプシアの病態(病気の原因や状態)は複雑で、①胃・十二指腸の運動障害、②胃・十二指腸の知覚過敏、③心理的要因、④胃酸、⑤ヘリコバクター・ピロリ菌感染、⑥遺伝的要因、⑦サルモネラ感染など感染性胃腸炎にかかった人、⑧アルコール、喫煙、不眠などの生活習慣の乱れ、⑨胃の形態など、いろいろな原因で症状が起こると考えられています。


慢性的に食後のもたれ感、早期飽満感、心窩部痛(胃痛、みぞおちのあたりの痛み)、心窩部灼熱感があり、内視鏡などの検査で器質的な異常が確認されない場合に機能性ディスペプシアと診断されます。

治療は、胃や十二指腸の運動障害、知覚過敏、胃酸の分泌異常が症状の原因となっている場合は、胃の働きを改善する薬と胃酸分泌を抑制する薬を使って症状を改善します。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がある場合は、除菌を行います。また、ストレスなどの心理的要因も考えられるときは、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。


睡眠不足や不規則な生活、偏った食事など生活習慣に乱れがある場合は見直したり、ストレスがある場合はストレスを解消したりすることで症状が改善することもあります。食事では、胃内滞留時間が長く、胃酸分泌を亢進しやすい甘みの強いもの、食物繊維が多いものは控えめにします。脂肪分の多いものは、もたれや膨満感などの原因になるので、とりすぎに気をつけましょう。香辛料や塩辛いもの、カフェインなどの刺激のあるものも控えます。食事時間を規則的にすると生活習慣が整いやすくなるので、1日3食を決まった時間にとるように心がけるとよいでしょう。


ウォーキングやストレッチなど適度な運動を行うと、ストレス解消につながります。また、居心地のよいいすに座ったり、横になったりして心身をリラックスさせたり、心が静まる音楽を聞いたり、アロマテラピーで好きな香りを楽しむことなどもストレス解消になります。自分に合ったストレス解消法を見つけてみましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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