Question

鼻からと口からの胃カメラ、それぞれの違いは?

ここ最近、胃の調子があまりよくないので、一度胃カメラ検査を受けようと思います。今は鼻から入れるものもありますが、口からに比べて劣る(細かくチェックできない)と聞いたことも。少しでも楽に行いたく、両者のメリット・デメリットを教えてください。

女性/40代

2022/06/25

Answer

胃カメラ検査(胃部内視鏡検査)は、食道、胃、十二指腸の内部の様子をモニターに映し、形態的に異常がないかを調べる検査です。からだの内部を観察するだけでなく、細胞や組織をとり出して調べる「細胞診」「組織診」を行い、診断を確定する場合もあります。


胃カメラ検査は、口から入れる「経口内視鏡」と、鼻から入れる「経鼻内視鏡」の2種があります。経鼻内視鏡の直径は経口内視鏡の約半分くらいです(経鼻内視鏡は直径約5~6㎜、経口内視鏡は直径約8~9㎜)。経鼻内視鏡は、苦痛の少ない検査として知られていますが、経鼻、経口それぞれにメリットとデメリットがあります。


●経鼻内視鏡検査

【メリット】

・内視鏡挿入時の苦痛が少なく、ほとんど吐き気を感じない

・検査中に医師と会話ができる 

・息苦しさや腹満感が少なく、脈拍や血圧の変化が少ない

・検査後、気分が悪くなければ、すぐ車の運転などが可能。のどの麻酔をしなければ、飲食もすぐ可能(いずれも医師の確認が必要)

【デメリット】

・鼻腔が狭いと挿入がむずかしいことがあり、苦痛を感じる可能性がある(とくに女性は苦痛を感じるといわれる)

・経鼻内視鏡は視野が狭く、大きめの病巣の切除は困難(※経口・経鼻とも組織の採取が可能)。ポリープなどの小さな病変は切除可能だが、早期の胃がんを発見してもすぐに内視鏡的治療を行うことはない。採取できる組織が小さいため、診断に苦慮する場合も

・検査後に鼻に軽い痛みがみられることも


●経口内視鏡検査

【メリット】

・経鼻内視鏡よりも視野が広く、大きめの病巣の切除が可能。早期胃がんの内視鏡的治療も可能(※経験ある医師がていねいに診ることで、経鼻と経口で下す判断に差はないといわれている)

・医療機関によっては麻酔薬を使用し、比較的負担の少ない方法で受けられる場合がある

【デメリット】

・検査中に医師との会話はできない

・内視鏡挿入時に吐き気や息苦しさ、腹満感が起きやすい

・麻酔薬を使用した検査を行っていない医療機関もある(※麻酔薬を使う場合、麻酔が切れるのに時間を要し、検査後に眠くなるため、原則検査日は車の運転ができない

・検査後すぐの飲食はむずかしい

・検査中、脈拍や血圧に変化がある

・心臓や肺に持病がある人や高齢者は主治医との相談が必要


医療機関によって、検査方法や条件が異なります。希望の医療機関に問い合わせて担当医とよく相談のうえ、自身に合った方法を選択するとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

関連するキーワード

胃腸炎
本サービスに掲載される情報は、医師および医療専門職等の監修の元、制作しております。監修者一覧および元となる情報はこちらからご参照ください。
みんなの家庭の医学 アプリイメージ
アプリでも

みんなの家庭の医学

歩数ゲームやデイリーアドバイス、無料健康相談が利用可能

QRコード

※ご所属先が本サービスを契約いただいている場合のみご利用いただけます。