変形性膝関節症はひざを動かしたほうがよい?
変形性膝関節症です。ひざは動かしたほうがよいのでしょうか、それとも安静にしたほうがよいでしょうか?
女性/50代
2022/06/17
変形性膝関節症とは、太ももの骨(大腿骨)と、すねの骨(脛骨)のつなぎ目を覆って衝撃を吸収し、分散させるクッションの働きをするひざ関節の軟骨がすり減り、痛みや変形を起こす病気です。原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満や遺伝子も関与しています。老化によるものは、軟骨が年齢とともに徐々に弾力性を失い、すり減って、関節が変形します。変化が軽い場合には、自覚症状はほとんどありませんが、変形が進むと、痛みや腫れ、曲げ伸ばしの不自由さ等の症状が現れてきます。
また、骨折、靱帯や半月板の損傷といった外傷や、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。
「ひざは動かしたほうがよいか」については、一概にどちらがよいとはいえません。医師は、上記の原因やその人のひざの状態、症状に応じ、適した運動療法や安静の指示をするため、自己判断せずに必ず確認することをおすすめします。
運動療法が推奨される理由は、安静にしているだけでは、筋力が低下し、かえってひざの負担が増加し、肥満を招く原因にもなりかねないためです。ひざを守るためにはある程度、筋肉を鍛えることが重要ですが、間違った運動は痛みを悪化させてしまうため、痛みが強くならない範囲で適切に行うことが大切です。
一般的な運動療法としては、下肢の筋力をつける訓練と、ひざを動かして可動域を広げる訓練の2つがおもに行われます。
運動の例をご紹介します。運動を始める前に実施して問題がないか、医師や理学療法士に必ず相談しましょう。
●大腿四頭筋を鍛える
・あお向けに寝て、片側の足のひざを伸ばしたまま30°ほど上げ、10秒ほど止めてもとに戻す。
・椅子に座って片側の足を水平に伸ばし、そのまま10秒ほど止めてからもとに戻す。
●外転筋を鍛える
横向きに寝て、上側の足を伸ばした状態のまま股を開くようにゆっくり上げ、4秒ほど止め、ゆっくり下ろす。
ウォーキングや水中運動、ストレッチなどの運動もよいとされますが、どんな運動も適切な量を毎日つづけることが大切です。また、日常生活の注意点としては、正座を避ける、減量する、ひざを温めて血行をよくする、洋式トイレを使用するなどがあります。運動療法とともに病院で行う治療には、痛み止めの内服薬や外用薬、ひざ関節内へのヒアルロン酸などの注射などがあります。症状が重い場合は関節鏡手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術といった手術療法も検討されます。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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