大腸カプセル内視鏡とは?
大腸カプセル内視鏡について教えてください。
男性/50代
2022/06/14
大腸カプセル内視鏡は、小さなカプセルの中に大腸内を撮影するカメラや撮影データを送信する器機が内蔵された検査器機です。現在、食道や胃、小腸、大腸など消化管の検査は、おもにX線による透視検査や上部・下部消化管内視鏡による検査が行われています。カプセル内視鏡はそれにかわる、または補う医療器機として、1980年頃にイスラエルで開発されました。カプセル内視鏡には、小腸用と大腸用があります。大きさは、長さ31㎜ほど、幅11㎜ほどで、これを飲み込んで検査を行います。
一般的な検査方法は次の通りです。検査日は絶食したうえで、受信アンテナを腹部に貼り、記録装置をベルトで腰に巻きます。そして、超小型カメラを内蔵したカプセルを飲み込みます。カプセル内視鏡は、食道や胃、小腸、大腸と進みながら撮影していきます。その画像を解析して病変の有無などの検査を行います。検査中は普段どおり自由に行動ができ、検査開始から8時間ほどで器機を外します。あとで肛門から排出されたカプセルを回収します。
大腸カプセル内視鏡による検査は、従来の内視鏡検査のような内視鏡スコープを挿入する際の痛みや違和感がなく、またその苦痛を抑えるための鎮痛剤が必要ないなど、患者さんにやさしい検査といえるでしょう。ただし、全大腸の観察ができない可能性があったり、病変があっても詳細観察やその場での切除ができなかったりといったデメリットもあります。また、従来の2倍ほどの下剤を飲む必要があること、約5万枚以上の画像が撮影されるため、解析ソフトのさらなる開発や高度な読影技術が必要なことも事実です。従来の検査方法と比較し、メリット、デメリットをしっかり見極めることが大切です。
大腸カプセル内視鏡は2014年に保険適用になりましたが、大腸がん検診の便潜血検査で陽性となった場合や通常の内視鏡スコープが挿入できなかった場合など、保険適用になる症例は限られています。大腸カプセル内視鏡による検査を検討している場合は、費用面のことなど、事前に医療機関で相談することをおすすめします。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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